プレスリリース

Webアプリ自動テストにおける大規模言語モデル(LLM)を活用したテストケース生成の新たな統合的フレームワークについてアミフィアブルが特許出願し、論文を発表

2025年08月08日(金)13時00分
アミフィアブル株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役:河村 隆一、以下 アミフィアブル)が、Webアプリの自動テストにおける大規模言語モデル(LLM)を活用した画面遷移グラフによるテストケース生成の新たな統合的フレームワークについて特許を出願し、論文を発表しましたのでお知らせいたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/444712/LL_img_444712_1.png
総合フレームワーク

【発表論文の概要】
●論文タイトル
Automated Web Application Testing: End-to-End Test Case Generation with Large Language Models and Screen Transition Graphs
(和訳:Webアプリの自動テスト:大規模言語モデルと画面遷移グラフによるテストケース生成)

●著者
北陸先端科学技術大学院大学 グエン・ミン研究室 アミフィアブル開発部
Nguyen-Khang Le、野村 尚新、Quan Minh Bui、Minh Ngoc Nguyen、Hiep Nguyen、Trung Vo、Son T. Luu、Minh Le Nguyen

●発表媒体
人工知能学会全国大会(第39回) JSAI2025
https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/3K4-IS-2a-03/tables?cryptoId=

●論文リンク
Automated Web Application Testing: End-to-End Test Case Generation with Large Language Models and Screen Transition Graphs


【研究の背景と目的】
Webアプリは、昨今のインターフェースの複雑化に伴い、その信頼性を担保するためのテストの負荷が年々増大しています。そこで注目されているのが、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の活用です。本研究では、「画面遷移」と「フォーム入力」という自動化における二大要所をLLMにより自動化し、Webテストの効率化と品質向上を図る新たな統合的フレームワークを提案し、特許を出願しました。


【本研究のポイント】
本研究では、Webアプリの自動テスト生成において、Webクローリングによる画面遷移グラフと、動的HTMLフォームの状態遷移グラフという2つのグラフを統合的に扱う新しい統合的フレームワークを提案します。
画面遷移と動的フォームが複雑なWebアプリでは、テストケースが爆発的に増加し、テストの網羅性が低くなってしまうという問題点があります。この統合的フレームワークをWebアプリの骨組みとしてLLMのプロンプトに組み込むことで、グラフという数学的構造とLLMの柔軟な生成能力を掛け合わせることができます。この結果、グラフアルゴリズムによる網羅率の裏付けと、LLMによる実用上重要なテストケースの洗い出しが可能になり、テスト網羅性と堅牢性を同時に向上させます。
さらに、提案手法の有効性を検証するため、独自に構築した包括的な精度検証用データセットを活用しました。このデータセットは、1,000の静的HTMLフォームと1,000の動的に状態遷移するHTMLフォームからなる2,000の合成フォームに加え、実Webサイトから収集した133のHTMLフォームで構成されており、多様なシナリオでの評価を実現可能にしています。このデータセットにより、手法の有効性が実証され、今後の継続的な精度検証もできるようになります。また、これからの研究において学習データセットとしても活用していく予定です。


【今後の展望】
本研究では、商用LLMだけでなくオープンソースLLMを用いたテストケース生成にも対応しており、通信制限があるWebアプリの自動テストにも運用可能です。また、画面遷移グラフと状態遷移グラフの統合的フレームワークに基づいてテストケースを生成することによりWebアプリ全体の品質保証に貢献します。今後は、開発現場での導入事例を積み重ね、ソフトウェア品質保証の新しいスタンダードを目指します。


【著者について】
野村 尚新
ヨーク大学哲学部卒業後、東北大学大学院にて修士課程修了。北陸先端科学技術大学院大学博士課程修了後、国立情報学研究所の特任研究員として論理学や自然言語処理をはじめとする様々な研究に携わる。2021年よりアミフィアブルに入社、産学連携と開発部AIチームのリードとして日々研究開発に打ち込んでいる。

Quan Minh Bui
北陸先端科学技術大学院大学博士課程修了。在学中より国立情報学研究所アシスタントを務め、某大企業との共同研究プロジェクトに携わりAIの知見を深める。2023年アミフィアブルに入社し、AIチームの中核メンバーとして野村と共に活躍中。


【アミフィアブル株式会社について】
アミフィアブルは「差別化されたAIテクノロジーから世界に新しい価値を提供する」をミッションとし、AI搭載テスト工程自動化プラットフォーム「MLET.II」の開発及び運用を手掛けています。
労働集約性の高いソフトウェア開発のテスト工程をAIテクノロジーで自動化し、2021年6月に特許を取得(特許第6902814号)した自社開発の「MLET.II」を武器に、多くの企業でソフトウェア開発の効率化及び品質向上に寄与しています。
また、「MLET.II」導入によるソフトウェア品質の向上・テスト工数の削減だけでなく、QA(品質保証)チームの立ち上げ、テスト推進のPMO、設計書や各種業務の標準化支援等、総合的な品質管理コンサルティングを提供しています。顧客のニーズに合わせ、ITコンサルタント、AIコンサルタント、エンジニアと共に様々な課題解決に取り組んでいます。

会社名: アミフィアブル株式会社
代表者: 代表取締役 河村 隆一
事業 : AI搭載テスト工程自動化プラットフォーム「MLET.II」の開発及び運用
URL : https://www.amifiable.co.jp/
TEL : 03-6420-0391


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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