経済制裁下でもロシア富豪はますます肥え太っていた、その理由
Russia's Richest Billionaires Are Getting Wealthier Fast

ロシアの金脈の1つ、ロシア最大の金属採掘会社ノリリスク・ニッケル(2010年、大富豪ポターニンは筆頭株主) REUTERS/Ilya Naymushin
<ウクライナ戦争継続能力を削ぐために欧米が続けてきた経済制裁や資産凍結にも関わらず、ロシアのオリガルヒはますます肥え太っていることがブルームバーグのデータで明らかになった>
ロシアの富豪たちは過去1年間で、200億ドル以上資産を増やした。ブルームバーグのビリオネア指数によれば、制裁対象となっているオリガルヒ(新興財閥)の中でも、ロシアで最も裕福な富豪ウラジーミル・ポターニン(純資産306億ドル)が資産増加を主導している。
この急激な資産増加は、ロシアの経済力を削ぐことを目的とした西側諸国の制裁が続く中で起きており、注目すべき動きだ。2022年のウクライナ侵攻を受け、欧米諸国は数十人のロシア財界人に制裁を課した。これらはウラジーミル・プーチン大統領の影響力を抑え、モスクワの侵略を思いとどまらせることを狙ったものだった。
だが、データはこれらの制裁がロシアの超富裕層のさらなる資産増加を防げなかったことを示しており、制裁の実効性に疑問が投げかけられている。
実際、クレムリンは経済の「回復力」を強調し、西側企業のロシア撤退にともなって一部の大富豪は資産を取り戻している。
だがドナルド・トランプ米大統領は、プーチンがウクライナ停戦に応じなければ「厳格な」二次関税を課すと警告している。