プレスリリース

GSアライアンスが、テスラ社、イーロン・マスク氏より先に電気自動車(EV)を開発した日本人のEVを復活させる会社を設立

2025年06月17日(火)10時30分
GSアライアンス株式会社(本社:兵庫県川西市、代表取締役:森良平 博士(工学))は、EVを開発、製造する企業として株式会社e-Gle Techを設立しました。

日本では電気自動車(EV)の普及に賛否両論ありますが、国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界のEV市場は2030年までに大きく拡大し、新車販売に占める割合は40%に達し、世界のEV保有台数は2億5,000万台に達すると見込まれ、EVの充電インフラも大幅に拡大していくと予想されています。特に中国、ヨーロッパ、北米がEV市場を牽引していますが、日本においてはEVの普及率はまだ低い状況です。これは充電インフラが少ないこと、航続距離が短いこと、価格そのものが高いことなどの課題があるからです。
しかしながら将来的には技術の進歩や政策の後押しにより、EVの価格は低下し、充電インフラも整備されることで、EVの普及はさらに加速すると予想されており、日本政府は国内においても2035年までに新車販売を100%電動車とする目標を掲げています。EVのメーカー企業としては、中国のBYDをはじめとする中国企業や、先駆者であるイーロン・マスク氏が率いる米国のテスラ社などが有名で、世界シェアをほとんどを占めており、残念ながら日本車のEVの販売台数は少ない現状です。

そのような状況ですが、実は20年以上前に、米国テスラ社のイーロン・マスク氏より先にEVを開発した日本人がおり、2004年に8輪EVのコンセプト「Eliica(エリーカ)」を開発しました。慶應義塾大学の清水浩 名誉教授(工学博士)です。電動モビリティシステム専門職大学の学長でもあります。ホイール内にモーターを備えるインホイールモーターを採用したEVで世界最高峰の技術でした。当時の小泉純一郎元首相が試乗し、エネルギー革命、産業構造改革だ、と語り、元F1レーサーの片山右京氏も「すごい加速が、途切れることなく続いていく」と評していました。0から約160km/h加速でポルシェ 911ターボに勝り、最高速度は370km/hにまで及ぶという、スーパーカー顔負けのスペックまで持ち合わせる性能のEVでした。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/439616/LL_img_439616_1.jpg
エリーカ

そして清水浩氏は、慶應義塾大学発のベンチャー企業として、EVの普及を目指す「シムドライブ」を設立し、ベネッセコーポレーション、ガリバー・インターナショナル(現IDOM)、ナノオプトニクス・エナジー(現ユニモ)、丸紅などといった大手企業らが出資し、世界初のEV量産企業になることを目指しました。しかしながら世界最高峰の技術を持ちながらも、インホイールプラットフォームという技術を採用するには、当時の既存の自動車産業にとって車体形態のすべてを変えることを意味し、あまりにもハードルが高すぎた、また日本企業の閉鎖的な思考からの続く協力者の不在や、量産に至るまでの資金不足のため、残念ながら量産には至らず、世界初のEV企業としては、米国のテスラ社にそのポジションを譲ることになりました。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/439616/LL_img_439616_2.jpg
清水浩 名誉教授(慶應義塾大学)

インホイールモーターはホイール(車輪)内にモーターを内蔵し、ギアを介さずに直接駆動させることで、従来の駆動モーターシステムに比べて効率的で、省スペース化(バッテリービルトイン式フレーム)や車両設計の自由度向上、燃費、航続距離の向上が可能などのメリットがあります。一方でばね下重量が重くなり乗り心地が悪くなる、1つのモーターが故障したら危険、振動(衝撃)に弱い、コストが高くなるなどの課題がありましたが、清水浩氏はあきらめず、現在ではそれらの課題も解決してきました。インホイールモーターを開発している企業は他にもありますが、まだ開発途上、またインホイールモーターを作れても、それを一気通貫で実際にEVと組み合わせて完成車とする技術を持つ企業は、まだ国内外にも見受けられません。
その点、清水浩氏は、量産まで至らなかったものの、実際にインホイールモーターを使用したEVの試作車をこれまで十数台開発しており、そのうち9台は、公道を走行することができる認証も取得しており、実際の技術を有しています。

そしてこの度、脱炭素、カーボンニュートラル分野の最先端技術を開発するGSアライアンス株式会社は、清水浩氏のインホイールモーターの技術を用いるEVを開発、製造する企業として株式会社e-Gle Techを設立し、グループ会社としました。清水浩氏の最先端のインホイールモーター、バッテリービルトイン式フレーム方式の技術と、GSアライアンスの最先端のバッテリー技術を組み合わせて、航続距離のさらなる向上やEVの低価格化も目指します。EVの主な技術はバッテリー、モーター、インバーターの3つであり、将来的にはモーターの性能を左右するネオジム磁石やインバーターの研究開発を進める可能性もあります。
さらに、GSアライアンスはペロブスカイト太陽電池、白金レス(フリー)の燃料電池、植物由来のセルロースナノファイバーなどの研究開発も進めており、これらの技術を融合する可能性もあり、これらの技術を組み合わせた世界最先端のEVを日本製として作り上げていく予定です。GSアライアンスとしては、このEVを作るにあたって、今後、資金調達も計画しています。


■会社概要
会社名 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森良平博士(工学)
本社所在地: 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素、SDGs課題に取り組む環境、
エネルギー分野の最先端技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/

GSアライアンスの種々の技術は、UNIDO(国連工業開発機構)、UNOPS(国際連合プロジェクトサービス機関)、WIPO GREEN(世界知的所有権機関)などの国連組織に登録されており、国連から助成金などの支援も受けています。


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プレスリリース提供元:@Press
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