コラム

今の政界の混乱が「自維連立」政権の成り立ちから見える

2026年02月07日(土)23時30分

となると多党化の時代は「解散権」についても考えないといけないのでは。あたかも首相の専権事項であるように思われているが、多党化で連立合意形成が大事と言うなら解散の乱用を防ぐ論議も必要だろう。

今回の政局、素朴な疑問も抱いた。「連立を組む際、党同士の政策は全て一致しなくてはいけないのか?」。記者やジャーナリストに尋ねてみると「10個ある政策が全て同じならそもそも同じ党でいい。違う党が一緒にやるわけでしょ? お互いに話し合えば成り立つはず」と言う。


しかし日本の場合は人間関係が前面に出て「あいつだけは嫌だという感情も目立つ」とも。もちろん他国だってその手の人間関係はあろうが、多党化の時代ならなおさら政策重視でいくしかない。

そうなると心配なのは日本の新聞だ。「売り」がなくなるからだ。平時は社説で政局よりも政策をと唱えてみせるが、いざ政局では政治面はたいそう興奮する。「俺たちがニュースを伝えている」という興奮もあるのでは? 

自民党の高市新総裁の取材をめぐり、待機していた一部のメディア関係者が「支持率下げてやる」などと発言し、音声を拾った動画がSNSで拡散された問題もあった。あれも「俺たちがニュースを!」という興奮と傲慢が入っていないか。

多党化時代の落ち着いた連立交渉のため、政局本位の「オヤジジャーナル」をいかにつまらなくさせるか?という話にもなる。というわけで新政権誕生のニュース「からの〜」をたくさん書いてみました。

本コラムは今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

※イラストは編集部の新しい試みとして画像生成AI「DALL-E3」で作成されています。

【関連記事】
【高市勝利で円安・物価上昇が加速】選挙後の消費減税「一旦脇に」/租特の財源化は現実的?/中道「ジャパン・ファンド」は危うい
【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制は機能不全...粛清の果ては「毛沢東の晩年」か

ニューズウィーク日本版 トランプの帝国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月10号(2月3日発売)は「トランプの帝国」特集。南北アメリカの完全支配を狙う新戦略は中国の覇権を許し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南山」、そして「ヘル・コリア」ツアーへ
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 8
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 9
    「こんなのアリ?」飛行機のファーストクラスで「巨…
  • 10
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story