コラム

フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ紙から見えた「まだマシ」な日本のメディア風景

2025年01月27日(月)11時09分

もう一点、書いておきたいことがある。フジの現場には悔しがっている社員たちもいるのではないか?

東スポWEBにこんな記事があった。

「中居正広トラブル拡散は『局内クーデター』だった! フジ社長会見に社員どっちらけ」(1月18日)

記事では「フジ局員の話」としてコメントが紹介されている。


「局員たちの認識は、港社長の会見での答弁と真逆です。歴代の幹部によって女性アナが接待に駆り出されることが常態化していたと思っています。そういった局員たちは義憤にかられ、中居さんの今回の女性トラブルにA氏が関与した可能性があると周囲に伝え、それが加速度的に拡散していったんです」

週刊誌に今回の件が伝わったのは社員たちの義憤という解説だ。そう考えると「示談したのになぜ漏らすのだ」という被害者へのバッシングがいかに的外れかが分かる。

本来は自分たちで会社や上層部の醜悪な行いを追及できれば理想的だ。しかしそれが無理なら週刊誌へというのはある意味最後の一手で、「公益通報」なのかもしれない。

プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

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