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シリーズ日本再発見

日本各地のマラソン大会が「外国人ランナー歓迎」の理由

2018年04月27日(金)11時50分
井上 拓

戦略的マラソンツーリズムに進路をとろう

日本は、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2021年にはワールドマスターズゲームズ関西、水泳世界選手権大会等、国際競技大会の開催が続々と控えている。

世界の注目が集まるメガイベントの波を活かし、それ以降の日本にどのようにレバレッジを効かせていけるかは、重要な視点だ。観戦の「みる」スポーツだけではなく、参加による「する」スポーツ文脈での価値の発信もまた、1つの活路となるのではないだろうか。

インバウンドランナーをはじめとする交流人口の拡大、その手段としてのマラソンツーリズムの振興は、有効な施策の1つと言えそうだ。

新潟シティマラソンとスポーツコミッションのケースにように地方都市においても、その土地にある観光資源を組み合わせたツーリズム商品の醸成が、地域経済活性化の糸口になるのではないだろうか。

もちろん、言語の壁や受け入れ地域の意識等、ボトルネックとなりそうな課題や阻害要因もたくさんある。

そこで問われてくるのは、自分たちのマラソン大会が、インバウンドランナーはお断りなのか歓迎なのか、何を目的として何をゴールとしているのか。すなわち、大会主催者、オーガナイザー側の姿勢そのものに違いない。

マラソンツーリズムをフックに知名度を高め、地域のファンになってもらう。そのチャレンジに一歩でも足を踏み出し、多くのインバウンドランナーたちが走る魅力的な大会が増えていくことを、1人のランニングファンとして願ってやまない。

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