コラム

APECの「紅一点」、ジュリアの笑顔に首ったけ!

2010年11月15日(月)20時14分

ペルー小.jpg

ペルーのガルシア大統領(右)と談笑するギラード豪首相(11月14日、横浜市内=代表撮影)

 APEC首脳会議に参加した21人のなかで、ひときわ輝いていた人物がいる。男性ばかりの会議の「紅一点」、ジュリア・ギラード豪首相(49)だ。

 今年6月にオーストラリア初の女性首相となったギラードは、政治アプローチは実用主義のリベラル政治家。率直で気取りがなく「自然体」が最大の魅力だというので(本誌2010年7月5日号「初の女性首相ジュリアは自然体」)、APECで来日するのを楽しみにしていた。

 11月13日に横浜市内のホテルで開かれたAPEC「CEOサミット2010」に登場したギラードは、前評判のとおり。白のジャケットに赤毛のコントラストが美しく、スラリとした長身にシャープな顔立ち。低めの声とソフトな口調が落ち着いた雰囲気をかもし出す一方で、パネルディスカッションの途中では屈託のない笑顔を見せる。

 そんなチャーミングなギラードに、どうやらAPECの首脳陣もメロメロだったようだ。その様子を写真で見てみると――。*写真はすべて代表撮影。11月13日~14日、横浜市内のAPEC会場にて。

オバマ小.jpg

オバマ米大統領も満面の笑み

チリ2小.jpg
「33人救出」で時の人となったチリのピニェラ大統領にキッス

チリ小.jpg
ピニェラの目尻は下がりっぱなし

李2小.jpg
韓国の李明博大統領にも

中国小.jpg
中国の胡錦濤国家主席も思わず

ニュージーランド小2.jpg
ご近所ニュージーランドのキー首相とも

ギラードと菅3.jpg
菅首相もとびきりのスマイル

鯉ギラード 小.jpg
首脳会議前、手を叩いて鯉を呼ぼうという菅首相の誘いに応じた、心優しいギラード

 APEC開催中に各国首脳は多くの公式フォトを撮られるが、カメラに向かう記念撮影以外の場で「満面の笑み」というのは意外に少ない。疲れた顔やしかめっ面、やる気のない顔も数多いなか、ギラードのスマイルと、彼女に見せる各国首脳の笑顔は際立っていた。ホスト役の菅首相にとっても、周囲を明るくさせるギラードの存在は会議を運営する上できっと救いになったはずだ。

 ギラードはこれまで外交経験の欠如を批判され、先月は「外交政策には情熱を感じない」、外交よりも教育などの内政に関心があると発言。元外交官で中国が堪能なケビン・ラッド前首相(現在は外相)と比較されるなか、先週のG20(ソウル)とAPEC(横浜)ではギラードの外交手腕が注目されていた。

 終わってみると、韓国やアメリカ、日本を含む数カ国の首脳と次々に会談したギラードに対し、豪メディアの評価は高いようだ。自由貿易やアフガニスタン情勢などを協議したギラードについて、日刊紙オーストラリアンは「ジュリアが外交ステージで花開く」というタイトルの記事を掲載。「今回のアジア歴訪で大失敗はなし」とし、「ギラードが外交手腕に自信をもったのは確実だ」と評価した。

 ギラードが横浜で見せた笑顔が本物だとすれば、「外交政策に情熱を感じる」という言葉を聞ける日はそう遠くないかもしれない。ギラードとの再会を楽しみにしているAPEC首脳たちにとっても、嬉しいニュースになるかも。

――編集部・小暮聡子

このブログの他の記事も読む


プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

レバノン、イスラエルとの協議に向け一時停戦提唱 米

ワールド

ネタニヤフ氏の汚職裁判12日に再開 イスラエル、非

ビジネス

米2月PCE価格指数、0.4%上昇に伸び加速 利下

ワールド

イスラエル首相、レバノンとの和平交渉開始指示 米で
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポケモンが脳の発達や病気の治療に役立つかも
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 6
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    「嬉しすぎる」アルテミスII打ち上げのNASA管制室、…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story