コラム

海外におけるコロナ対策違反飲食店の罰金事情──消費者も問われる責任

2021年01月07日(木)11時40分

緊急事態宣言が出された前後、「欧米のような厳しいロックダウンをしなくても、日本人は自らを律するので、要請だけでも大丈夫」といった意見があちこちで聞かれた。実際、多くの人はいろいろ我慢して、自発的にコロナ対策に協力している。

とはいえ、箱根駅伝でも話題になったように、もはや「日本人は...」と一括りにはできない。個人的な話で恐縮だが、年末にかつての卒業生らとオンライン忘年会をした時、上司などから飲み会に誘われて困る、あるいは誘われないまでも上司などが日常的に飲み会を続けているらしい、といった話しがあちこちから出てきた。

幸いというか筆者の卒業生はそういったことに加担しておらず、その点おおいに誇らしく思ったが、一方で「強制されていないから好きにする」という者の行動が結局は強い規制を招く、しかも多くの場合、当人たちがそれを理解しないことには辟易せざるを得なかった。

あえて言えば、生活がかかっているわけでもないのに「ほころび」を大きくする者が感染しても自業自得かもしれない。しかし、医療現場への負担を含めて、その影響は真面目に協力している人にまで及ぶ。良識に頼る対策は、限界と言わざるを得ないだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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