ナチスへの復讐劇『手紙は憶えている』とイスラエルをめぐるジレンマ
でもこの潮流は、現代史における1つの重要なリスクをも増大させる。
ユダヤ人への差別・迫害はナチスドイツだけではなく、全ヨーロッパで行われていた。その後ろめたさがあるから戦後の西洋世界は萎縮し、被害者意識を肥大させたイスラエルがパレスチナに対して行う加害を強く批判できなかった。
こうして4回の中東戦争が起きたが、イスラエルは常にアラブを圧倒的な軍事力で一蹴した。アメリカという強力な軍事大国の後ろ盾があるからだ。
言ってみれば戦後世界は、ユダヤの受難を歴史に刻み込もうとするたびに、イスラエルのパレスチナに対する加害を肯定してしまうというパラドックスに常にはまり込んできた。ホロコーストは二度とあってはならないし反ユダヤ主義は絶対に許されないとする反省と教訓が、今のイスラエルを造形してしまったのだ。
このジレンマを見事に反転させながらクリアした作品が、今回紹介する『手紙は憶えている』だ。
元ナチス親衛隊員への復讐を果たそうとするゼブの行動は、差別と迫害の記憶を宗教的な大義(シオニズム)と融合させながら、自衛を理由に周辺のアラブ諸国に加害を繰り返すイスラエルと合わせ鏡なのだ。
製作はカナダとドイツ。監督のアトム・エゴヤンは亡命アルメニア系の両親のもとでエジプトに生まれ、今はカナダに居住している。複雑なプロフィールが見事に結実した。
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