コラム

森達也 私的映画論

ナチスへの復讐劇『手紙は憶えている』とイスラエルをめぐるジレンマ

2025年01月17日（金）18時13分

ラストについては絶対に書けない。もしもあなたがこの映画を既に観ているならば「それは書けないよな」と同意してくれるはずだし、これから観るのなら、観終えてから「書けなくて当然だ」と納得してくれるはずだ。

映画は世界を反映する。角度によっていろんな断面が見えてくる。そしてこの映画は、今後の世界を構築するための大きなヒントとなる視座を提示した。


newsweekjp_20250117082329.jpg『手紙は憶えている』（2015年）
©2014, Remember Productions Inc.
監督／アトム・エゴヤン
出演／クリストファー・プラマー
　　　マーティン・ランドー
　　　ヘンリー・ツェニー


＜本誌2025年1月14日号掲載＞

次のページ【動画】映画『手紙は憶えている』予告編（2015年）を見る
プロフィール

森達也

映画監督、作家。明治大学特任教授。主な作品にオウム真理教信者のドキュメンタリー映画『A』や『FAKE』『i−新聞記者ドキュメント−』がある。著書も『A3』『死刑』など多数。

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