勝新太郎の本領とすごさ──徒花的な『座頭市』はまるで勝新そのもの
彼の本領とすごさは、1980年に放送を始めたテレビドラマ『警視-K』で発揮されている。あえて脚本はアバウトに仕上げ、セリフはほぼ俳優たちのアドリブ。だからアフレコは不可能だ。全て現場で同時録音。ノイズも交じる。第1話オンエア中から放送局である日本テレビには、「言葉が聞こえない」「意味が分からない」などと抗議の電話が殺到したという。ほとんど実験映画だ。1人でテレビドラマのヌーベルバーグをやろうとしたと評する人もいる。結局は1クールで打ち切られた。
座頭市は邦画における徒花(あだばな)的な存在。そしてそれは、日本芸能史における勝新のポジションと、見事な相似形を成している。
『座頭市物語』(1962年)
監督/三隅研次
出演/勝新太郎、万里昌代、島田竜三、三田村元
<本誌2021年6月22日号掲載>
数々の名監督を生んだイランの現状にもやもやしながら『シンプル・アクシデント/偶然』を観る 2026.03.25
『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントにして 2026.03.11
脚本・監督も主演2人も素晴らしい......僕の大切な『オアシス』は奇跡を見せてくれる 2026.02.11
大評判作『ワン・バトル・アフター・アナザー』が感じさせるアメリカの「反復力」 2026.01.29






