ドローンもない時代にどうやって撮ったのかと(自分も一応プロなのに)首をひねりたくなるようなカメラワークがとにかく斬新。消費とは何か。欲望はどこまで肯定すべきか。消費のために自分の体を誰かに消費させる。その循環に意味はあるのか。

冷蔵庫の中で凍った犬。いつか結婚して母になる。自分を大切にするとはどういうことか。でも私は凍った犬を抱き締めた──カットバックするショットと女子高生たちの言葉とナレーションがシンクロする。そしてあの有名なラスト。いつの間にか渋谷川に入る4人をカメラは撮り続ける。ただひたすら撮り続ける。

冒頭では躊躇したけれど、これは断定する。これまで観た無数の映画の中で、間違いなくベスト3に入るラストだ。

magm201009_LoveHop2.jpg『ラブ&ポップ』(1998年)

©1998 ラブ&ポップ製作機構

監督/庵野秀明

出演/三輪明日美、工藤浩乃、希良梨、仲間由紀恵

<本誌2020年9月1日号掲載>

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 創刊40周年 世界に映った日本の姿
2026年10月13日号(10月6日発売)は「創刊40周年 世界に映った日本の姿」特集。

復刻版の創刊号特集で読む日本の「これまで」と「これから」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます