コラム

K-POPの祭典『KCON JAPAN 2025』レポート 最先端のパフォーマンスに3万人が熱狂

2025年05月20日(火)12時00分

世代を超えた人気グループの貫禄のステージ

日本の若手ダンサーたちと協演したTWS

日本の若手ダンサーたちとのダンスステージを披露したTWS。 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

昨年の1月に登場後、瞬く間にヒットチャートの常連となった6人組・TWS(トゥアス)は、親しみやすい軽快なポップスで観客を魅了。メンバーは最年長で21歳、いちばん下は17歳と若いせいか、躍動感のある動きが目を引く。デビューアルバムのリードトラック「plot twist」では、オーディションで選ばれた日本の若手ダンサーたちとともに爽やかなパフォーマンスを繰り広げ、祝祭ムードを演出した。

newsweekjp_20250519084109.jpg

オンライン開催も含めるとKCONには8度目の登場となったベテランのHIGHLIGHT 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

4人組・HIGHLIGHT(2009年にBEASTとしてデビュー、2017年に改名)は、ベテランらしく貫禄と余裕を感じさせるステージを展開。途中のトークでは、台本に書いてある内容をそのまましゃべっていることをにおわせて笑いを取り、セットリストにBEAST時代の代表曲「Shock」を入れて、昔からのファンを驚かせる。わずかな持ち時間を無駄なく使いつつ、自分たちの世界にぐいぐいと引き込んでいくのは、新人では到底できないだろう。

公演のトリを務めた9人組のZEROBASEONE(2023年デビュー)は、"第5世代の代表格"と呼ばれるときもあるだけに、彼らが舞台に上がると、ひときわ大きな歓声が響いた。「BLUE」や「GOOD SO BAD」といったライブ映えするオリジナル曲で軽快にステップを踏む彼ら。もはや人気オーディション番組出身というイメージは無く、グループならではの個性を強く打ち出しているのが頼もしい。

バンド系、日本発グループの躍進も

4人組の女性バンドQWER

キュートなガールズバンドQWER 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

昨年はこうしたボーイズグループに加えてロックバンドもヒットチャートの常連であった。なかでも女性4人組・QWER(キューダブリューイーアール/2023年デビュー)の活躍は目覚ましく、最近のK-POPの注目すべきトピックのひとつとなっている。『M COUNTDOWN STAGE』に登場した彼女たちは、楽器を弾きながらキュートな笑顔と振り付けで客席を魅了。アイドル的な要素とロックの融合で独自の路線を開拓したこのバンドも要チェックだろう。

K-POP勢に対抗するかのように登場した日本発のガールズグループ・ME:I(ミーアイ/2024年デビュー/11人組だが、今回はそのうちの9人で出演)は、本家に負けず劣らずの"カルグンム(一糸乱れぬダンス)"で存在感を発揮していたのが印象的だった。韓国式のオーディションを採用した番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』から生まれたグループゆえに、パフォーマンスのレベルは相当高い。サウンドも近年のK-POPのヒットソングと同様に国内外の作家が制作しているので、国境を越えた魅力にあふれている。特に今回披露した最新曲「MUSE」は、ME:Iの持ち味を十分に引き出していると思った人が多かったはずだ。

日本発のガールズグループ・ME:I

世界に拡張するK-POPを体現する日本発のガールズグループ ME:I 「KCON JAPAN 2025」ⓒ CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

約3時間の間にニューフェイス3組とビッグネーム7組が出演。しかもそれぞれが放つオーラは異なり、スペシャルな演出もたっぷり──。そんな貴重な機会を提供してくれる『KCON』は、K-POPファンの必須イベントとして今後も続いていくに違いない。

プロフィール

まつもとたくお

音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を始め、数々の専門誌・ウェブメディアに寄稿。2012年にはK-POP専門レーベル〈バンチョーレコード〉を立ち上げ、イ・ハンチョルやソヒといった実力派を紹介した。現在は『韓流ぴあ』『ジャズ批評』『ハングルッ! ナビ』などで連載。LOVE FMLuckyFM楽天ポッドキャストの番組に出演中。著書は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)ほか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランの指導者らを殺すことは「大きな名誉」、トラン

ビジネス

ニデックが「役員責任調査委員会」設置、損害賠償請求

ビジネス

ゴールドマン、3月の北海原油価格予想を100ドル超

ワールド

英利下げ時期6月に後ずれ、BofA イラン情勢で見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 7
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story