コラム

公園のデザインに見る日本と欧州の防犯意識の違い

2025年03月05日(水)11時00分

ところが日本では、すべてのスペースがあらゆる人に開放され、遊具も集中することなく点在している。そのため、大人と子供が入り交じって公園を利用している。そこでは、子供の目の前に大人がいても、周囲が違和感を覚えることはない。子供が大人と話していても、不自然に感じる第三者はいない。そこに犯罪者が付け入るスキがあるのだ。

以下、海外の公園を10カ所ピックアップして紹介したい。いずれも筆者が撮影したものだが、写真から、これらの公園が城壁都市をそのまま縮小したかのようなデザインになっていることがお分かりいただけるだろう。

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(左)フランス・パリの公園(右)イギリス・ロンドンの公園 筆者撮影

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(左)ギリシャ・ロドスの公園(右)ポーランド・ビスクピンの公園 筆者撮影

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(左)クロアチア・ザグレブの公園(右)ウズベキスタン・ヒヴァの公園 筆者撮影

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(左)ベトナム・ホーチミンシティの公園(右)グアテマラ・グアテマラシティの公園 筆者撮影

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(左)アルゼンチン・ブエノスアイレスの公園(右)タンザニア・モロゴロの公園 筆者撮影

プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページはこちら。YouTube チャンネルはこちら

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