コラム

「売れる車がない」日産は鴻海の傘下に? ホンダも今後は見通せず...「破談後」の厳しい未来

2025年02月27日(木)11時37分

自動車産業で急速に進む「コモディティ化」の影響

一方、世界の自動車産業は急速に「コモディティ化」が進んでおり、規模のメリットを追求できなければ競争時代を生き延びるのは難しくなっている。トップを走るトヨタ自動車は販売台数が1100万台を超えており、2位のフォルクスワーゲングループも1000万台に迫る勢いだ。

一方で、ホンダは400万台、日産は340万台と販売数量が著しく低迷しており、トップグループの背中は遠い。

今後、車両のEV化が進めば、コモディティ化に拍車がかかるのは確実であり、両社が単独で上位グループに追い付くことはますます難しくなる。日産に対しては電子機器メーカーである鴻海が買収に意欲を示しており、同社の傘下入りするのかが注目される。一方、ホンダに対しては今後の成長戦略が問われることになる。


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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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