コラム

マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

2024年04月23日(火)19時47分

「円安が進んでほしくない」という感情が論理的判断を邪魔

多くの関係者が「相手」の存在を見落としてしまうのは、「これ以上円安が進んでほしくない」という感情が論理的判断を邪魔するからだろう。

筆者は円安が進み始めた2年前、1ドル=110円の段階から「近い将来、1ドル=150円台に到達する可能性が高い」と繰り返し主張してきた。だが筆者の主張に対しては「絶対にあり得ない」など、感情的な反応ばかりが返ってくる状況だった。

しかしながら市場というのは冷徹であり、感情的に否定したところで現実のファンダメンタルズを変えることはできない。今後、為替市場は日本にとってさらに厳しい状況になる可能性が高く、望まない事態が次々と起こるだろう。そうであれば、なおさら冷静な対応が必要である。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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