コラム

中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない

2024年10月22日(火)14時00分

米欧日は中国に機械・部品を輸出して、低賃金労働を使って製品に仕立て、世界に輸出した。中国へは2004~08年の貿易黒字だけでも、8740億ドルの外貨が流入する。中国の銀行はそれを土地開発・インフラ建設に回す。土地は国有・公有で原価がゼロに等しいから、開発は空前の付加価値を生み、中国の高度成長を演出した。

中国がなくても世界の底は抜けない

「ドーピング」はアメリカも同じで、膨らむ財政・貿易赤字を、国債の大量発行でごまかして成長を維持した。00~20年、中国のGDPは12.3倍、アメリカは2.1倍、ドイツは1.9倍に膨らんだ。日本は1.8%増という惨めな数字だが、00年までに達成した高い生活水準は維持した。


日本はバブル崩壊のトラウマでドーピングをためらううちに、中国や米欧の成長に周回遅れ、さらにアベノミクスの円安で二周遅れとなる。今や日本は、価格体系も別世界。ホテルは外国人観光客であふれ、企業はM&Aで買いたたかれるありさまだ。

中国は、外国資本と技術で築いた経済力に舞い上がってアメリカに挑戦。自国企業に助成金をばらまき、過剰生産に陥った企業は押し込み輸出に走って、世界から対抗措置を招く。外資の対中投資は減少し、米欧は中国産品の関税を引き上げた。今や世界のタカ派は「中国抜きの世界経済」を語り、ハト派は「中国経済を破綻させれば世界は共倒れ」と戦々恐々だ。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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