コラム

北朝鮮のミサイルが在日米軍基地を襲う日

2017年10月07日(土)12時00分

00年代、共和・民主両党の傘下団体も含め、アメリカの官民組織が国外での「民主化」運動、そして「体制転換」を仕掛けた。このことが中東やウクライナで不毛の混乱を招き、アメリカの負担を増やしてきた――これがトランプと一部側近の持論で、対ロ宥和政策の背景も成している。現にロシアのラブロフ外相も今回のトランプの国連演説を高く評価している。

もともと北朝鮮の問題は、ソ連のスターリンが北朝鮮の金日成をあおって韓国に侵攻させたことに発する。朝鮮戦争の休戦後も、米韓両国は北からの圧力をはね返すために共同軍事行動を繰り返してきた。北はこれを「体制転換の策動」と受け取って自衛行動として核開発を行うという悪循環が生じている。

だから米韓・朝の双方が体制転換の試みを放棄することを宣言するとともに、北の核兵器削減に比例して制裁も解除し経済関係を進めることで合意すれば、トランプ、金双方の面目も救った上での収拾が可能となろう。

核開発問題をめぐる6カ国協議のメンバーを見回せば、日本が仲介者として一番ましだろう。首相が世界に向けて発信する基本方針に沿って、外相がシャトル外交を展開。同時に拉致問題も前進のめどを付ける──。「圧力」一辺倒よりもこういう外交をすれば、日本も世界で見直されるのではないか。

[2017年10月10日号掲載]

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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