コラム

お手軽スポーツ賭博がイギリスを蝕む

2025年04月02日(水)16時06分

ギャンブルの広告はイギリスで20年前に自由化されたが、おかしなことにタバコ広告が事実上禁止された時期と重なる。

現在、英プレミアリーグのうち11クラブのユニフォームには賭博会社のロゴが入っている。一部のチームはスタジアムの命名権まで売って、ファンが崇拝する「聖地」にオンライン賭博会社の名前をつけた。


子供たちが観戦し、夢中になるサッカーの試合は、今や悪徳と深く結びついている。賭博会社がプレミアリーグのスポンサーになることは2026‐27年シーズンから中止されるが、もはや後の祭り。今後確実に後の世代に引き継がれる根深い習慣になってしまった。

イギリスでスポーツ賭博をするのはほとんどが男性(女性の約2倍)。それでも、この差は縮まっているようだ。理由は......以前より多くの女性が賭けをするようになったから。さらに、賭けられるものの範囲は広がっていて、例えば男性は男子競技のみならず女子スポーツにも賭けるようになってきた。

つまり、より多くの人がより多くのものに賭けるようになったのだ。とはいえそれも序の口で、さらにその先には途方もないバリエーションの賭け方が待ち受けている。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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