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住宅問題のせいでイギリスの階級的分断が再び拡大する
以前のコラムで「ブーメラン世代」について書いた。これは、18歳で大学進学のために実家を出て、卒業後の21歳から32歳かそこらになるまで賃貸暮らししながら働き、自分なりのライフスタイルを楽しんでいたのに、このままでは夢のマイホームのための資金など永遠に貯まらないことに気付いた人々だ。そこで彼らは10年ほどたってから実家に戻り、おそらくは心ばかりのわずかな「家賃」を親に支払って貯金に励む。
以前のような親子関係には戻れないだろうから、これはしばしば失敗に終わる。「子供」にとっては屈辱的だし窮屈に感じるし、親にとっては日常のペースが乱されるし、育て上げた大人のわが子に「たかられる」のも、イライラした様子のわが子を見なければならないのも、勘弁してほしいと思うだろう。
だからこういった状況は不運なことだが、それが結婚相手やパートナー選びに影響していると聞くと、とても奇妙な状況でもあることが分かる。
住宅事情のせいで不幸なパートナー関係に甘んじていると答える人は、10人に1人にも上ると、さまざまな調査で示されている。時には経済的に別々の家に住む余裕がないからという理由で、別れたパートナーと一緒に暮らし続けているというケースもある。僕はあるパーティーでこの奇妙な状況のカップルに遭遇した。彼らは僕の友人の住むアパートの上の階から「別々に」パーティーに来ていた。
ある調査では、住宅事情のせいで通常よりも早めに誰かと同居することを検討しているという人は4分の1に上った。もちろん、人々が無意識下でどの程度「家のある人」を求めているのか、あるいは経済的地位がどの程度重視されるようになってきたのか、を明らかにできる調査はない。
イギリスの「階級的分断」は1世代前より小さくなったし、将来的にはもっと小さくなるだろうと、僕たちは考えたがる。でも実際のところ、「異なる階級間の結婚」は減りつつある。生まれ育った生活水準を維持して子供にも自分と同じくらいの機会を与えるためには、自分よりずっと貧しい人と結婚する余裕などないから、というのがその理由かもしれない。その間にも、資産を持てる人と持たざる人の格差は広がり、社会的流動性に避けることのできない影響が表れている。

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