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リバプールFWサラーの「メリークリスマス」炎上が示す「イスラム教の内紛」
クリスマスを祝うサラーのツイート(2021年12月) MOHAMED SALAH/TWITTER
<「アラブの誇り」とまで言われるエジプト代表選手が、クリスマスを祝うことは現代のイスラム教においては「おかしなこと」ではない>
イングランド・プレミアリーグ、リバプールのFWであるモハメド・サラーはエジプト人イスラム教徒だ。彼はエジプト代表に選ばれる卓越したサッカー選手として知られているだけでなく、ゴールを決めるとフィールドにひれ伏し、神に感謝をささげる行為に代表されるイスラム教徒としての敬虔さから、「アラブの誇り」とも呼ばれている。
このサラーが昨年12月、ツイッターにメリークリスマスというハッシュタグと共にクリスマスツリーの下、家族4人でくつろぐ写真を投稿すると、28万もの「いいね」が付いた一方で、アラビア語や英語で2万を超えるほぼ批判のコメントが寄せられる「炎上」状態になった。
「あなたは偉大なプレーヤーであり、善良な人間であり、神はあなたにお金、名声、そして人々の愛を与えた。だが知るがいい。神は瞬く間にあなたからそれを奪えるということを」という批判コメントには1万5000以上の「いいね」が付いている。
サラーの投稿への反発の大きさは、イスラム教徒が一般にクリスマスを祝ってはならないと信じられている証しだ。イスラム法は従来、『コーラン』や預言者ムハンマドの言行に基づき、イスラム教徒がクリスマスやバレンタイン、ハロウィーンなど異教の祝祭を祝うことを禁じてきた。
エジプト大統領の融和政策
しかし近年、エジプトのイスラム法学者はそれらを許容する判断を出している。背景には2014年に就任したシシ大統領が、国民の約1割を占めるキリスト教の一派コプト教徒との融和と宗教的不寛容との対決を政治課題に掲げたことがある。イスラム教徒がコプト教徒を殺害・誘拐したり教会を襲撃したりすることは、エジプトの人権問題として長年、国際社会から非難されてきたからだ。
シシは15年にエジプトの大統領として初めて、コプト教のクリスマスのミサに参加した。ほかにも教会の建設や修築することを許可するなど、目に見える形で改革を進めている。
これはシシが進めるイスラム過激派との戦いの一環でもある。これまで多くのコプト教徒が過激派組織「イスラム国」(IS)をはじめとするイスラム過激派の襲撃の犠牲になってきた。異教徒を敵視するのは憎むべき過激派の所業であり許されない、というのがシシ政権の方針だ。
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