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オンライン詐欺は「産業」になった...GDPの半分を占める闇経済と国家への浸透
2024年の米国平和研究所(USIP)のレポートの推定によると、ミャンマー、カンボジア、ラオスを中心としたオンライン詐欺は2023年に世界で639億ドル(約10兆円)の収益を生み出した。
東南アジアにおけるオンライン詐欺産業の爆発的な成長は、大規模な人身売買事業の拡大につながり、2023年8月、国連人権高等弁務官事務所は、カンボジアとミャンマーだけで70カ国以上から22万人以上が施設に集められてオンライン詐欺の強制労働に従事させられていると報告した。労働の報酬が支払われることはほとんどない。
最も大きな収入があるのはミャンマーで、次いでカンボジアとなっている。
急成長するカンボジアは2025年には次世代の国際詐欺の中心地となる可能性が高いと言われている。カンボジアのオンライン詐欺の売上は、公式推計では年間125億ドル(約2兆円)から190億ドル(約3兆円)とされており、同国のGDPのおよそ60%に相当し、カンボジア最大の産業である衣料品繊維産業を上回っている。
現実味のない話に感じた方も少なくないと思う。まるでカイジというマンガに登場する帝愛グループだ。帝愛グループと違うのは、現実に存在する点だ。
政府の中枢に食い込み、影響力を拡大
オンライン詐欺グループが拠点としている国のGDPには、現地の支配層が有する事業が含まれており、それらの事業を使ってオンライン詐欺グループの売上をロンダリングしたり、便宜を図ってもらうために売上の一部を提供したりしている。
たとえば、ミャンマーではオンライン詐欺の収益がミャンマー軍と支配層に流れていると報じられている。同様にカンボジアとラオスの支配層にも多額の資金が流れているとされている。
これらの国々では汚職が蔓延し、犯罪集団は政府による保護を受けやすくなっている。たとえばカンボジアの国家機関は、国際詐欺および関連する人身売買に関与する犯罪ネットワークを組織的に支援、保護しているとまで言われている。
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