アングル:今年はバリュー投資が活発化か、AIバブル懸念で着目点変化
世界の株式投資家は今年、過小評価された資産を物色する「バリュー投資」を活発化させそうだ。ニューヨーク証券取引所で2025年11月撮影(2026年 ロイター/Brendan McDermid)
Niket Nishant Kanchana Chakravarty Joel Jose
[5日 ロイター] - 世界の株式投資家は今年、過小評価された資産を物色する「バリュー投資」を活発化させそうだ。人工知能(AI)バブルへの懸念が高まり、高騰したテック銘柄の外側にトレーダーの目が向いているからだ。
米国株は2025年、大きく変動した。26年も上昇の流れは持続する見通しだが、投資家は銘柄をよく選別する必要があるとアナリストは言う。
ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのストラテジストチームは「アクティブ投資の環境は熟している」と指摘した。
<小型株>
米小型株は何年も傍流に甘んじていたが、利益見通しが改善し、借り入れコストが低下するのに伴い、再び脚光を浴びるかもしれない。
ラザード・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、オレン・シラン氏は「26年が昨年と異なるのは、増益がついに小型株に戻ってくることだ」と語る。
LSEGのまとめによると、トレーダーは米連邦準備理事会(FRB)が今年25ベーシスポイント(bp)の利下げを2回実施すると予想している。小型株の企業は通常、債務水準が高めなので、金利が下がると真っ先に恩恵を受ける対象の1つだ。
ジェフリーズの株式ストラテジスト、スティーブン・デサンクティス氏は、小型株で構成されるラッセル2000指数が26年末までに約14%上昇し、2825を付けると予想している。
<金>
25年に金(ゴールド)は1979年の石油危機当時以来で最高の値上がりを記録した。JPモルガンとバンク・オブ・アメリカは、金が今年1オンス=5000ドルを付けると予想している。25年末は4314.12ドルだった。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのアナリストチームは、今年も金にとって良好な環境は続くが、上昇ペースは昨年より遅くなるかもしれないと話す。
準備資産の分散を進めている中央銀行による買いも、金相場を支える可能性がある。
<医療と金融>
医療関係株は政策措置を支えに、突出して上昇するセクターの1つになるかもしれない。モルガン・スタンレーは、肥満治療薬がさらに普及し、このセクターに追い風を吹かせる可能性があるとみている。
金融株、とりわけ銀行株も、合併・買収(M&A)の加速と融資の伸び回復を背景にアウトパフォームすると予想される。
モルガン・スタンレーによると、規制緩和とAIによる効率性向上に伴い、金融セクターのバリュエーションは魅力的な水準を保っている。
<為替>
アナリストによると、FRBが労働市場の悪化を和らげるために追加利下げを行う見通しなので、ドルは26年も弱いだろう。次期FRB議長の任命など政治的不透明感も、ドルのボラティリティーを高めそうだ。
ドルが売られれば、中国人民元やブラジルレアルなど、新興国市場通貨の魅力が増すことになる。政策パスの違いが為替の動きを決定する度合いが強まるとみられる。
INGのエコノミストチームによると、チェコ国立銀行(中央銀行)の利上げを支えに、チェココルナが上昇する可能性がある。
またMUFGのアナリストチームは、世界経済の成長見通し改善により、豪ドルやニュージーランドドルといった資源国通貨が恩恵を受ける可能性を指摘する。
MUFGによると、G7諸国の中ではユーロが財政刺激策に支えられる一方、円は短期的に売られやすい状態が続くが、その後回復する見通しだ。
<新興国市場>
新興国市場は、比較的低いバリュエーションとドル安を背景に、力強い資金流入が続くと予想されている。
BofA・グローバルは「新興国市場の成長が『古き良き時代』ほど高くないことばかり注目される。それは事実だが、マクロ的な安定性を示す指標が長期傾向に比べて改善しているのも事実だ」と指摘した。
ただ、ブラジルやコロンビアなど複数の国で選挙が予定されていることもあり、内政問題が相場を攪乱(かくらん)する可能性もある。
<高利回り債と社債>
高利回り債と社債の市場は26年、忙しくなるかもしれない。M&Aが活発化して買収資金の調達需要が強まるほか、AI関連の大手企業がデータセンター投資のための資金調達を続けそうだからだ。
ジャナス・ヘンダーソンのポートフォリオマネジャーらは「26年の高利回り債に明るい見通しを抱いている。過去1年間、高利回り債への需要は強く、比較的供給が多かったにもかかわらず、難なく吸収した」と記している。
<予測市場のスーパーサイクル>
政治、スポーツ、金融市場など現実世界の出来事の結果を予想する「イベントコントラクト」が、今年は最も成長する資産クラスの1つになるとみられている。個人投資家の投資需要が、イベントコントラクトを売買する「予測市場」を支えそうだ。
予測市場は24年の米大統領選前に人気を集め、この市場に参入する新興企業が続々と生まれた。
予測市場を手がけるロビンフッドのブラッド・テネブ最高経営責任者(CEO)は「産声を上げたこの資産クラスはスーパーサイクルの初期段階にある」と指摘した。
シティズンズ・ファイナンシャルのアナリストチームによると、予測市場は現在20億ドル近い収入を生み出しているが、機関投資家も参入し始め、2030年までには5倍に膨らむ可能性がある。
ただ、予測市場はスポーツ賭博に似ており、投機的行動を後押ししかねないとして、その急成長ぶりを規制当局が警戒し始めている。
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