インタビュー:ベネズエラ情勢「原油に下げ圧力」、地政学リスク後退=経済産業研・藤氏
写真はベネズエラの国営石油会社PDVSAの製油所。2024年2月10日、同国プエルトカベーロで撮影。REUTERS/Leonardo Fernandez Viloria
Yusuke Ogawa
[東京 5日 ロイター] - 米国が3日未明(現地時間)に南米産油国のベネズエラを軍事攻撃し、マドゥロ大統領を拘束した。原油市況への影響について、経済産業省が所管する政策シンクタンク、経済産業研究所(RIETI)のコンサルティングフェロー、藤和彦氏に聞いた。
通産省出身の藤氏は原油・天然ガスの国際動向を専門とし、「世界を動かす石油戦略」などの著書を持つ。
藤氏は「ベネズエラの原油生産量は世界市場の1%にも満たない。むしろ地政学的な不安定要素が一つ解消されたことで、リスクのプレミアム(上乗せ分)が剥落し、短期的には原油価格の下げ圧力が強まる」と話した。
2026年を通した市況に関しては、「景気低迷で中国の原油需要が失速しており、需給バランスの悪化により1バレル50ドル台に定着するのではないか」と述べた上で、「中東やウクライナ情勢の動向次第では、50ドルを割り込む展開もあり得る。そうなれば、物価高対策に取り組む高市早苗政権にとって朗報になるだろう」との見方を示した。一問一答は下記の通り。
――米国の軍事介入は原油市場にどのようなインパクトがあるか。
「影響はあまり無いだろう。トランプ米大統領は原油価格が高騰しないよう、主要な石油インフラへの攻撃を避けるなど極めて周到に作戦を計画したようだ。そもそもベネズエラの原油生産量は日量100万バレル程度で、世界市場全体の1%にも満たない」
「輸出が一時的に滞ったとしても、その8割以上は中国向けだ。中国は既に備蓄を積み増しており、代替調達で市場を逼迫させることはないだろう。むしろ地政学的な不安定要素が一つ解消されたことで、これまで上乗せされていたリスクプレミアムが剥落し、今後数週間は原油価格の下げ圧力が強まると考えている」
――中長期的にベネズエラの原油生産は拡大するか。
「ベネズエラはチャベス政権以来、バラマキ政策の財源として国営石油会社PDVSAから多額の資金を巻き上げて、設備投資もままならない状態にしてしまった。同国内の石油インフラは相当傷んでおり、そう簡単には生産は回復しないだろう。世界最大級の原油埋蔵量を誇るとされているが、その信憑性も疑わしい」
「米国企業がすぐに利権を掌握し、増産体制が整うというシナリオは現実的ではない。また、トランプ氏と米大手石油メジャーとの関係はそれほど深くはなく、石油目的で軍事介入したとの見方は外れているのではないか。記者会見などで石油利権を強調するのは、あくまでも支持層(MAGA派)向けのパフォーマンスの側面が強いとみている」
――今年の最大の懸念材料は何か。
「構造的な需給バランスの悪化だ。22年のロシアによるウクライナ侵攻時は原油価格が急騰したが、昨年頃から地政学リスクへの市場の感応度は低下している。国際エネルギー機関(IEA)も指摘するように、足元の世界市場は日量数百万バレル規模の供給過剰にある。大きな要因は、過去20年にわたり需要を牽引してきた中国の失速だ。不動産バブル崩壊などを背景にした景気低迷に加え、電気自動車(EV)の普及によって、中国の原油需要はマイナス成長に転じる可能性がある」
「これに対し、供給側をみると、ブラジルやガイアナなどの南米諸国が生産拡大に乗り出している。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国が構成するOPECプラスに関しては、今年の第1四半期(1-3月)の増産を停止したものの、年内には増産基調に転じるだろう。米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は1バレル60ドルを上限とし、50ドル台に定着するのではないか。米ゴールドマン・サックス証券が今年のWTI平均価格を52ドルと予想しているが妥当な見方だと思う」
――中東情勢の緊張も気がかりだ。
「イエメン分離派勢力への空爆を巡り、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の関係が悪化している。サウジアラビアは価格維持のため減産志向だが、UAEは増産意欲が強いとされる。両国の対立が深まれば、UAEがOPECから脱退する可能性もある。そうなれば原油価格は急落し、50ドルを割り込む展開もあり得る。ウクライナの和平が実現した場合も(ロシアの供給回復が意識され)原油価格は大幅に下落するとみている。物価高対策に取り組む高市早苗政権にとっては朗報になるだろう」
(聞き手・小川悠介 編集:橋本浩)
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