ニュース速報
ワールド

香港議会選の投票率低調、過去最低は上回る 棄権扇動で逮捕者も

2025年12月08日(月)07時12分

写真は候補者を確認する有権者。12月7日、香港の投票所で撮影。REUTERS/Lam Yik

James Pomfret Jessie Pang

[香港 7日 ロイター] - 香港で7日実施された立法会(議会、定数90)選挙の投票率は低調にとどまった。多数の犠牲者を出した高層住宅火災を受けて市民の間には当局に対する不満が渦巻いているものの、「愛国者」だけが立候補を認められた中で、積極的に投票する意義が薄かったとみられる。

香港政府が発表した最終的な投票率は31.9%と、過去最低だった2021年の30.2%は上回った。

当局は投票時間の延長や新たな投票所の設置など、投票を促す措置を講じた。ただ選挙管理委員会の責任者は、高層住宅火災によって「社会の雰囲気」が変わり、組織として選挙を実行するのが難しくなったとの認識を示していた。

火災現場近くに住む70代の男性は「大火災には本当に腹が立っている。私たちを裏切った体制寄りの政治家を支持するために投票するつもりはない」と語り、棄権したことを明らかにした。

一方香港当局は7日、ソーシャルメディアを通じて人々に棄権、ないし無効票を投じることを扇動した疑いで4人の男を逮捕したと発表した。6日のソーシャルメディアへの投稿を巡り、別の男性の逮捕状も取得したという。

香港で投票ボイコットを公然と呼びかける行為は、民主派の意見を事実上排除するため導入された抜本的な選挙制度変更の一環として犯罪になっている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米USTR代表、中国の貿易合意履行「正しい方向」

ビジネス

ベトナム、1-11月対米貿易黒字が過去最高 前月比

ワールド

EUの政策は米欧協力損なう、米国務副長官がXへの制

ビジネス

スイスUBS、1万人規模の追加削減の可能性=報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中