香港議会選の投票率低調、過去最低は上回る 棄権扇動で逮捕者も
写真は候補者を確認する有権者。12月7日、香港の投票所で撮影。REUTERS/Lam Yik
James Pomfret Jessie Pang
[香港 7日 ロイター] - 香港で7日実施された立法会(議会、定数90)選挙の投票率は低調にとどまった。多数の犠牲者を出した高層住宅火災を受けて市民の間には当局に対する不満が渦巻いているものの、「愛国者」だけが立候補を認められた中で、積極的に投票する意義が薄かったとみられる。
香港政府が発表した最終的な投票率は31.9%と、過去最低だった2021年の30.2%は上回った。
当局は投票時間の延長や新たな投票所の設置など、投票を促す措置を講じた。ただ選挙管理委員会の責任者は、高層住宅火災によって「社会の雰囲気」が変わり、組織として選挙を実行するのが難しくなったとの認識を示していた。
火災現場近くに住む70代の男性は「大火災には本当に腹が立っている。私たちを裏切った体制寄りの政治家を支持するために投票するつもりはない」と語り、棄権したことを明らかにした。
一方香港当局は7日、ソーシャルメディアを通じて人々に棄権、ないし無効票を投じることを扇動した疑いで4人の男を逮捕したと発表した。6日のソーシャルメディアへの投稿を巡り、別の男性の逮捕状も取得したという。
香港で投票ボイコットを公然と呼びかける行為は、民主派の意見を事実上排除するため導入された抜本的な選挙制度変更の一環として犯罪になっている。





