投票システムで反政府派特定も、ミャンマー総選挙に国連が懸念
12月1日 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は28日、ミャンマーで来月末から始まる予定の総選挙について、軍事政権が市民に投票を強要しているほか、電子投票装置や人工知能(AI)を使った監視システムが当局によって反政府派の特定に利用される恐れがあると懸念を表明した。写真は2021年1月、ミャンマーの首都ネピドーで撮影(2025年 ロイター/Thar Byaw)
[ジュネーブ 28日 ロイター] - 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は28日、ミャンマーで来月末から始まる予定の総選挙について、軍事政権が市民に投票を強要しているほか、電子投票装置や人工知能(AI)を使った監視システムが当局によって反政府派の特定に利用される恐れがあると懸念を表明した。
総選挙は12月28日から来年1月にかけて実施される。国際社会からは、総選挙は2021年に民主政権を転覆させた現政権を正当化するための見せかけにすぎないとの声が出ている。
OHCHRのミャンマーチームの責任者ジェームズ・ローデヘイヴァー氏はスイス・ジュネーブで行った記者会見で、電子投票装置は白票や無効票を認めておらず、有権者は必ずいずれかの候補者に投票しなければならない仕組みだと指摘。この装置によって投票の有無や投票先を追跡できる可能性があり、「人々の投票行動を監視するために使われるのではないかという深刻な懸念がある」と述べた。
また、政情が不安定な地域で、住民が電子投票装置の使用方法に関する軍の教習に参加させられているとの報告があり、調査中だと述べた。
ミャンマーの国営メディアは28日、軍事政権当局は総選挙で「全ての有権者が自由かつ公正に投票権を行使できるようにする」方針だと報じた。ロイターは軍事政権の報道官にコメントを求めたが返答が得られなかった。





