EU、ロ産エネルギー脱却へ一歩 輸入段階的廃止法案の議論前進

欧州連合(EU)加盟国の大使らは8日、非公開会合を開き、2028年1月までにロシア産石油・ガスの輸入を段階的に終了させる法案を巡る審議を進めることで合意した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国の大使らは8日、非公開会合を開き、2028年1月までにロシア産石油・ガスの輸入を段階的に終了させる法案を巡る審議を進めることで合意した。今月20日予定の閣僚会合での承認を目指す。EU外交関係者3人が明らかにした。
法案は、26年1月以降に新規契約に基づくロシア産ガス輸入を段階的に停止し、26年6月には既存の短期契約を、28年1月には長期契約をそれぞれ終了することを盛り込む。ロシア産石油を輸入しているハンガリーとスロバキアに対しては、28年までに輸入停止計画の策定を義務付ける。
ロシアの対ウクライナ戦の資金源を断つことが狙い。ロシアとの緊密な関係維持を望むハンガリーとスロバキアは批判的だが、ほぼ全てのEU加盟国が支持を表明しており、法案は可決される見通しだという。
閣僚会合まで細部の修正に関する協議を続ける。液化天然ガス(LNG)がロシア産でないことを担保するため、事前認可とEUの港湾到着時の税関当局による原産地確認の双方を義務付けるべきかどうかが、議論の焦点となっている。
ロシア産はEUのガス輸入の12%を占めており、ハンガリー、フランス、ベルギーなどが輸入を継続している。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻前の45%からは低下している。
閣僚会合で承認されれば、EU加盟国と議員が最終的な法案を巡って協議する見通しだ。