最新記事
アメリカ経済

インフレで4割が「貯蓄ゼロ」、ゴールドマン・サックスが警告する老後資金危機

Number of Americans Living Paycheck to Paycheck Soars

2025年10月7日(火)17時46分
ヒュー・キャメロン
スーパーの棚

モノもサービスも値上がり(写真はカリフォルニア州パサデナのスーパー、8月3日)REUTERS/Mario Anzuoni

<住宅、育児、医療...日々の支払いに追われるアメリカ人には、貯蓄の余裕がなくなっている>

インフレと支出の「渦」に巻き込まれ、アメリカ人の退職後に向けた貯蓄能力が低下し、日々の生活にも追われる人が増えている──。ゴールドマン・サックスの最新の調査から明らかになった。

「退職の新たな経済学」と題されたこのレポートによると、現在アメリカ人のおよそ40%が「貯蓄なし」で「ギリギリの生活」を送っており、1997年の31%から大幅に増加している。この層の約74%は、「他に優先すべき支出があるため、退職後のための貯蓄ができない」と回答している。


ゴールドマン・サックスは、生活費にも事欠くアメリカ人の割合が2033年には55%、2043年には65%に達する可能性があると予測している。

この報告書は、経済的困難に直面するアメリカ人が増加していることを示す数ある調査のひとつにすぎない。8月に発表されたPNC銀行の調査でも、アメリカの労働者の67%が「ギリギリの生活」をしており、2024年の63%から上昇している。

ゴールドマン・サックスの分析によれば、家計逼迫の原因は生活必需品のコスト上昇にある。それが貯蓄の余裕を奪い、老後の経済リスクを高めているという。

国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」鑑賞チケット2組4名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ノーベル物理学賞、米国拠点の3氏に 次世代量子技術

ワールド

米ホワイトハウス、政府閉鎖中の職員給与保証せず=ア

ワールド

アングル:超長期金利、30年債入札無難で上昇一服 

ワールド

イスラエル軍、ガザを陸海空から攻撃 ハマス襲撃から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレクションを受け取った男性、大困惑も「驚きの価値」が?
  • 3
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿すると「腎臓の検査を」のコメントが、一体なぜ?
  • 4
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 5
    一番お金のかかる「趣味」とは? この習慣を持ったら…
  • 6
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃の「オーラの違い」が話題…
  • 8
    監視カメラが捉えた隣人の「あり得ない行動」...子供…
  • 9
    「不気味すぎる」「昨日までなかった...」ホテルの天…
  • 10
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 7
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 8
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中