英、デジタル身分証導入へ 就職時の本人確認などに利用

　９月２６日、英国政府は不法移民対策の一環で、同国市民と居住者向けにデジタル身分証を導入すると発表した。写真はスターマー首相。英アイルズベリーで１８日代表撮影（２０２５年　ロイター）

［ロンドン　２６日　ロイター］ - 英国政府は２６日、不法移民対策の一環で、同国市民と居住者向けにデジタル身分証を導入すると発表した。就職時の本人確認などに使用する。スターマー首相は「不法就労をしにくくし、国境をより安全なものにする」と述べた。

デジタル身分証は携帯電話に保存され、企業の採用時の本人確認のほか、福祉サービス、税金記録のアクセスなどにも利用される。２０２９年の現国会終了までに義務化する方向。

英国では第二次世界大戦後に身分証が廃止され、パスポートや運転免許証などが身分証明の手段となっている。２０００年代にブレア労働党政権が身分証の導入を目指したが、自由を侵害するといった反対意見が出て、後を継いだブラウン政権が取り下げた。