ニュース速報
ワールド

豪経済は良好、見通しにリスク 必要なら緩和余地=中銀総裁

2025年09月22日(月)14時07分

 オーストラリア準備銀行(中央銀行)のブロック総裁は22日、経済見通しが変化するリスクを警戒しているものの、データのフローはほぼ予想通りだと述べた。4月シドニーで撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)

Peter Hobson

[シドニー 22日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のブロック総裁は22日、国内経済は良好な状態にあるという認識を示した上で、インフレ鈍化と労働市場の底堅さを踏まえると、変化するリスクへの対応に必要であれば政策をさらに緩和する余地があると述べた。

議会に対し、最近の利下げは家計や企業の支出を下支えすることが期待されるが、その一方で世界的な環境は不透明で予測不可能と指摘。「8月の会合以来、国内データはほぼ予想通り、あるいはやや強めとなっており、理事会は来週の会合でこのことなどについて討議する」と語った。

「しかし、経済見通しは依然として不確実性に覆われている。そのため、状況が変化するリスクを警戒し、必要に応じて対応する準備しておく必要がある」と述べた。

経済見通しに対する最大のリスクに関する質問には、世界情勢と、消費の回復が期待通りに進まない可能性を指摘。「それは労働市場にとって好ましくないかもしれない。われわれが望むよりもインフレ率が低く、雇用状況も悪いという状況に陥る可能性がある」と語った。

中銀はこれまで、段階的で慎重な政策緩和アプローチを採用しており、各四半期のインフレデータを見極めた上で2月、5月、8月に利下げを実施。政策金利は現在3.6%となっている。さらなる緩和ペースは今後のデータ次第だとしている。

投資家は今月29─30日の会合では金利据え置きを予想しているが、11月の利下げ確率は依然として約75%織り込んでいる。

ブロック氏は、今後1年間で実質所得が増加し、経済が回復するにつれ、家計消費の回復は持続すると予測されると述べた。

先月に就業者数が減少した労働市場については、完全雇用に近く、ややタイトな状態にあると判断していると発言。毎月の雇用統計は不安定であり、雇用創出の鈍化は予測通りだとした。

また、インフレについては目標の範囲内にとどまるとの自信を深めていると述べた。

世界貿易の変化がオーストラリア最大の貿易相手国である中国に悪影響を与えることになれば、中銀にはさらに政策を緩和する余地があると指摘。最近の中国経済指標はそれほど素晴らしいものではないとの認識も示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

「核容認なら米と対話可能」と金総書記、最高人民会議

ワールド

豪経済は良好、見通しにリスク 必要なら緩和余地=中

ワールド

台湾防衛展示会、欧州勢が積極姿勢 ウクライナ侵攻が

ビジネス

リトアニア中銀総裁、12月の利下げ提言=ブルームバ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    トランプに悪気はない? 英キャサリン妃への振る舞い…
  • 5
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 6
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 7
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 8
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 7
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中