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同時テロ式典、国防総省の中庭で実施 カーク氏殺害受け警備強化

2025年09月12日(金)13時08分

 9月11日、トランプ米大統領が追悼式典のためワシントン郊外の国防総省(ペンタゴン)を訪れた際、式典は慰霊碑の前でなく中庭で実施された。写真はカーク氏の死亡を受けて半旗を掲げるホワイトハウス、10日撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)

Jeff Mason Steve Holland Trevor Hunnicutt

[ワシントン 11日 ロイター] - 2001年の米中枢同時テロから24年となった11日、トランプ米大統領が追悼式典のためワシントン郊外の国防総省(ペンタゴン)を訪れた際、式典は航空機1機が突入し184人が死亡した建物側面の近くにある慰霊碑の前でなく中庭で実施された。

米当局者2人によると、トランプ氏の盟友で著名な保守派活動家のチャーリー・カーク氏(31)が10日、ユタ州の大学キャンパスで殺害されたため、式典場所は十分に用心して外部にあまりさらされていない区域に変更されたという。

ホワイトハウスはカーク氏の死後、警備が強化されるとともに重苦しい雰囲気が漂っていた。トランプ氏はカーク氏が若年層の有権者を取り込んで自身の当選に貢献したと評価している。

自らも昨年2度の暗殺未遂事件を生き延びたトランプ氏は、カーク氏の死後に大統領自由勲章を授与すると発表した。バンス副大統領はカーク氏の家族と面会し棺をアリゾナへ運ぶためにエアフォース・ツーでユタ州に飛んだ。

しかしホワイトハウスとトランプ氏はカーク氏の殺害事件を巡る具体的な政策対応について明言せず、トランプ氏は証拠を示さないまま殺害事件が「急進左派」による犯行だと非難している。

トランプ氏は10日、大統領執務室からのビデオ演説で政権が「資金を提供したり支援したりした組織を含めてこの凶行やその他の政治的暴力に関与した者たちをひとり残らず探し出す」と語った。

トランプ氏を熱烈に支持し、インターネットに精通した「MAGA」忠誠派たちはカーク氏の殺害事件について、単なる狙撃犯容疑者の捜索活動以上の対応を求めて政権に猛烈な強い圧力をかけている。

活動家のローラ・ルーマー氏などの人物たちは、メディアから民主党、左派的な理念の持ち主だと見なされる民間人に至る幅広いイデオロギー上の敵対勢力に対する「戦争」の形で新たな方策を講じるよう要求した。

トランプ氏がしばしば政権内部やそれ以外の敵対者を標的にするために大統領権限を行使してきたことを踏まえ、早期に対応する可能性を示唆する人も政権幹部の中に数人いた。

ミラー大統領次席補佐官はX(旧ツイッター)に投稿し、教育者、医療従事者、セラピスト、政府職員といった「制度的権限を持つ立場にある人々」がカーク氏の死を喜び「邪悪なイデオロギーを信じている」と述べた。そのような人々に対応すべきかどうか、具体的にどのような対応を取るべきかには言及せず、人物名も特定しなかった。

トランプ氏は11日、シークレットサービスが警備を増強する中で米大リーグのニューヨーク・ヤンキースの試合に向かう途中で、支持者がカーク氏の死亡に対してどのように反応するべきかどうかと問われた。

トランプ氏は「彼は非暴力の提唱者だった。私は人々にそのようにしてもらいたい」と述べた。

ロイター
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