ノルウェー、米への大規模投資維持を期待 キャタピラー株売却でも

　９月９日、ノルウェーのストルテンベルグ財務相（写真）は世界最大の政府系ファンド（ＳＷＦ）であるノルウェー政府年金基金が、資産の約半分を米国に投資する現在の方針を維持できることを期待すると述べた。オスロで８日撮影（２０２５年　ロイター/Tom Little）

［オスロ　９日　ロイター］ - ノルウェーのストルテンベルグ財務相は９日、世界最大の政府系ファンド（ＳＷＦ）であるノルウェー政府年金基金が、資産の約半分を米国に投資する現在の方針を維持できることを期待すると述べた。

トランプ米政権は先週、同基金が米建設機械大手キャタピラーを投資対象から除外したことを非常に憂慮していると述べ、ノルウェー政府と直接協議していると明らかにしていた。

同基金は８月、イスラエル当局がパレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸地区でキャタピラーの製品を使用しているとし、倫理委員会の勧告に基づき同社株を売却したと発表した。

トランプ大統領に近い共和党のグラム上院議員らは、ノルウェーと同基金が関税引き上げやビザ（査証）制限など制裁の対象になる可能性があるとしている。

ストルテンベルグ氏は記者団に「米当局はノルウェー政府系ファンドを巡る規則やその倫理ガイドラインを十分承知している」と述べ、投資除外の勧告はノルウェー政府の審査対象ではないと指摘。

「われわれはこうした個別の決定を政治化することを望まない。資産の半分を米国に投資する大規模投資ファンドを持つことができるこのシステムを今後も維持したい」と語った。