トランプ政権、シカゴで移民取り締まり作戦開始と発表 知事把握せず

　９月８日、トランプ米政権は、イリノイ州のシカゴなどの地域で「ミッドウェー・ブリッツ作戦」と名付けた移民取り締まりを開始したと発表したが、作戦の範囲は不明で、同州のプリツカー知事（民主党）は詳細を把握していないという。写真は、クック郡裁判所の外に停車する移民・税関執行局（ＩＣＥ）の車両。同日、シカゴで撮影（２０２５年　ロイター/Octavio Jones）

Tom Polansek　Ted Hesson

[シカゴ ８日 ロイター] - トランプ米政権は８日、イリノイ州のシカゴなどの地域で「ミッドウェー・ブリッツ作戦」と名付けた移民取り締まりを開始したと発表したが、作戦の範囲は不明で、同州のプリツカー知事（民主党）は詳細を把握していないという。

米国土安全保障省はプレスリリースで、連邦移民当局との協力を制限する市や州の「聖域」法があるため、この作戦が必要だと述べた。

トランプ大統領は数週間前から、犯罪や不法移民を取り締まるため、州兵や連邦捜査官を民主党の牙城であるシカゴに派遣する可能性を示唆してきた。

８日に発表された作戦はトランプ氏が夏にロサンゼルスと首都ワシントンで承認した部隊派遣よりも、より典型的なトランプ政権時代の移民取り締まりに似ているように見えた。

プリツカー知事の報道官マット・ヒル氏は「知事室はトランプ政権から正式な連絡や情報を受け取っていない。彼らがリアリティ番組の制作を試みる中、われわれは一般市民や報道機関と同様、彼らのソーシャルメディアを通じて作戦について情報を得ている」と述べた。

トランプ氏は自身の交流サイト（ＳＮＳ）トゥルース・ソーシャルへの８日の投稿で、シカゴで最近起きた殺人事件や銃撃事件に言及し、プリツカー氏がトランプ政権に支援を要請しないことを非難。「私はシカゴの人々を傷つけたいのではなく、助けたい。傷つくのは犯罪者だけだ！われわれは迅速に行動し、この狂気を止めることができる」と語った。

国土安全保障省はシカゴでの作戦に関するプレスリリースで、米国で不法滞在し、犯罪で有罪判決を受け、イリノイ州の刑務所から釈放されたとされる移民数人のリストを公表。その犯罪には暴行、強盗、麻薬所持などのほか、ギャングへの関与の疑いも含まれていた。