ウクライナ安全保証、外国軍は提供できず=ロシア大統領府

9月5日、ロシア大統領はウクライナに対する安全の保証を外国の軍部隊が提供することはできないという見解を示した。写真はロシア大統領府のぺスコフ報道官。モスクワで5月代表撮影(2025年 ロイター)
[5日 ロイター] - ロシア大統領は5日、ウクライナに対する安全の保証を外国の軍部隊が提供することはできないという見解を示した。また、ウクライナ紛争の解決に関するロシアとウクライナの高官レベルやトップレベルの会談を開催する前に、多くの作業を行う必要があると指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領と欧州首脳らは4日、パリでウクライナ支援の有志国連合会合を開催。ロシアとの和平合意が成立した場合、ウクライナに対する安全の保証の一環として26カ国がウクライナに部隊を派遣する用意があると表明した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官はウラジオストクで開催された東方経済フォーラムの合間に国営ロシア通信(RIA)に対し、「ウクライナに対する安全の保証を外国、特に欧州や米国の軍隊が提供できるのか。絶対にできない」と述べ、「わが国が受け入れ可能なウクライナの安全の保証にはなり得ない」と断じた。
ペスコフ氏はまた、ウクライナにとって必要な安全の保証は全て、2022年にイスタンブールで行われた和平交渉で合意された条項に含まれていると述べた。
イスタンブールの枠組みでは、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟への野望を放棄し、中立・非核の地位を採用する見返りに、米国、ロシア、中国、英国、フランスから安全保障の保証を受けるとされている。
ペスコフ氏は、ロシアとウクライナの協議における現在の代表者レベルに満足しているとも述べた。「高官、あるいはトップレベルで会談する前に、小さな問題、小さな技術的問題を解決するために膨大な量の作業を行う必要がある。こうした作業が和解プロセス全体を構成している」と語った。