ニュース速報
ワールド

ハーバード大への助成金停止は違法、米地裁が政権に再開命令

2025年09月04日(木)09時41分

9月3日、 米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁はトランプ政権のハーバード大学に対する約22億ドルの研究助成金停止は違法だと判断し、助成金の再開を命じた。写真は7月、ボストンの裁判所前でハーバード支持を訴える人々(2025年 ロイター/Brian Snyder)

Nate Raymond

[ボストン 3日 ロイター] - 米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は3日、トランプ政権がハーバード大学に対して約22億ドルの研究助成金を停止した措置は違法と判断し、助成金の再開を命じた。

トランプ大統領は、パレスチナ自治区ガザを巡る問題でイスラエルを非難するデモが構内で行われた幾つかの主要大学が「反ユダヤ主義」や「過激な左翼」思想に支配されていると主張。ハーバード大にも助成金打ち切りや留学生受け入れ資格の剥奪などで、ガバナンスや教職員採用方針の修正、一部研究プログラムの廃止などさまざまな措置を実行するよう圧力をかけている。

ハーバード大側は、ユダヤ人やイスラエルの学生の安全確保対策などを講じたとしつつも、政権の要求は大学の「知的環境」を不当に規制するものだと述べ、そうした行き過ぎた要求を拒絶した後で政権が報復を始めたのは言論の自由を保障した合衆国憲法に違反するとの見解を示していた。

地裁は、トランプ氏が反ユダヤ主義と闘うのは正しく、ハーバード大が「憎悪行為を容認してきたのは間違いだった」と指摘。ただ、政権が要求に応じるよう大学に圧力をかけるのは憲法に違反すると判断した。

ホワイトハウスのヒューストン報道官は判決を批判し、直ちに控訴する考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナへの外国軍派遣は容認できず=ロシア外務省

ワールド

IAEA、イランと核施設査察再開で週内合意目指し協

ワールド

インドネシア、運転手死亡に関与の警官解雇 デモは各

ワールド

アフガン地震、救助活動へ特殊部隊動員 国連は食料不
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中