インドネシア、運転手死亡に関与の警官解雇 デモは各地で継続

インドネシア当局は3日、先週ジャカルタで起きた反政府デモの際にバイク運転手をはねて死亡させた事故に関与した警察官を解雇した。写真はデモに参加する女性ら。ジャカルタで撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
Willy Kurniawan
[ジャカルタ 3日 ロイター] - インドネシア当局は3日、先週ジャカルタで起きた反政府デモの際にバイク運転手をはねて死亡させた事故に関与した警察官を解雇した。各地で続くデモの収束につなげたい考えだ。
学生や労働者、市民団体などが主導するデモでこれまでに10人が死亡している。
警察報道官は、バイク運転手をはねた警察車両に乗っていた警官7人のうち1人を解雇したと述べた。デモ参加者は広範囲の責任追及を求めており、残る6人を巡る対応は今後決定される見通し。
こうした中、ジャカルタでは3日、ピンク色の服を着た数百人の女性がデモに参加し、ほうきを振り回した。デモを主催した女性団体は「国家の腐敗や治安部隊の抑圧を一掃する」必要性を象徴するものだとした。
一方、議会関係者は少なくとも10の学生組合と会談した。学生側はデモ参加者の釈放やプラボウォ氏に対する調査などを要求した。
格付け会社フィッチ・レーティングスは、デモによって成長見通しが鈍ったり、財政悪化につながったりすれば、インドネシアの格付けに悪影響を与える可能性があると指摘。「根深い問題が続く可能性が高いため、社会的緊張が長引くリスクがある。議会で大多数を占めているとはいえ、大統領と与党連合にとって政治的試練となる恐れがある」とした。