中ロ首脳会談、貿易拡大策テーマに プーチン氏が近く訪中

ロシアがウクライナに侵攻して以降、関係を強めてきた中国との貿易が、2025年に入ってから減少傾向が目立っている。写真はプーチン大統領。27日撮影。提供写真(2025年 ロイター/Sputnik/Vyacheslav Prokofyev/Pool via REUTERS)
Gleb Bryanski Darya Korsunskaya Elena Fabrichnaya Gleb Stolyarov
[モスクワ 28日 ロイター] - ロシアがウクライナに侵攻して以降、関係を強めてきた中国との貿易が、2025年に入ってから減少傾向が目立っている。近く訪中予定のロシアのプーチン大統領が中国の習近平国家主席との首脳会談に備える中、貿易促進策が重要な協議テーマになりそうだと、ロシアの情報筋3人が明らかにした。
2022年2月のウクライナ侵攻でロシアと西側諸国の関係が悪化する中、中国はロシア産原油を購入する一方で、ロシアに自動車や電子機器などを輸出し、24年の二国間貿易は2450億ドルに達した。ただ、中国税関当局が先週発表したデータでは、25年1─7月は前年同期比8.1%減となった。ロシアの自動車輸入の急減や、中国向けの石油輸出の減少が響いた。
インドのモディ首相など20人以上の首脳らが参加して8月31日と9月1日に中国・天津で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議にはプーチン氏も出席する予定。
情報筋の1人は首脳会議を前に「現在の数値がさえないため、中ロ双方の当局者は貿易拡大策を探っている」と述べた。別の情報筋は、農業とエネルギーに拡大の余地があるとの見方を示した。
ロシアにとって経済規模が約9倍の中国は最大の貿易相手国で、ロシア政府関係者は、経済・軍事面で中国に依存していることを強く認識している。
ロシア政府に近い別の関係者によると、ロシアの輸出収入の多くは中国に対するものが占めるほか、中国から供給される技術はロシア軍にとって不可欠なものになっているという。「中国なしではミサイル1発、ドローン1機も製造できず、それどころか経済全体がずっと以前に崩壊していた」とし、「戦闘も継続できていなかっただろう」と指摘した。