カナダ軍の潜水艦プログラム、独TKMSが最終候補入り 韓国勢と競争

8月26日、ドイツを訪問したカナダのカーニー首相(写真左)は、同国の新型潜水艦プログラムの契約先として、ティッセンクルップ傘下のティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)とノルウェー企業の連合を最終候補に加えると発表した。写真は首相官邸で記者会見するドイツのメルツ首相(右)とカナダのカーニー首相。ベルリンで26日撮影(2025年 ロイター/Christian Mang)
Riham Alkousaa Sarah Marsh
[ベルリン 26日 ロイター] - ドイツを訪問したカナダのカーニー首相は26日、同国の新型潜水艦プログラムの契約先として、ティッセンクルップ傘下のティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)とノルウェー企業の連合を最終候補に加えると発表した。カナダとドイツは重要鉱物を巡っても協力関係を深めることで合意。世界的な貿易と安全保障を巡る緊張の高まりを背景に、結束を強める動きを示した。
このプログラムはカナダ海軍に潜水艦12隻を納入する内容。最終候補にはTKMS連合の他に韓国企業が残っている。
カーニー氏は、キールのTKMSの施設を訪問すると述べた。
TKMSはティッセンクルップから今年秋に分社化する。TKMSのオリバー・ブルクハルト最高経営責任者(CEO)は、カーニー首相の表明を歓迎すると述べた。
一方、カナダとドイツのエネルギー相は、重要鉱物の処理、精練、リサイクルにおける協力強化の宣言に署名した。リチウム、レアアース(希土類)、銅、ニッケルなどの重要鉱物は両国の防衛システムやエネルギー移行、先進的な製造に不可欠だが、ドイツは重要鉱物をほぼ全面的に輸入に頼り、カナダは少ない自国生産分を国内で使用している。
カーニー氏はベルリンでメルツ首相と会談した後「重要鉱物資源や金属には膨大な可能性と機会がある。また液化天然ガス(LNG)や水素など、あらゆるエネルギーもわが国が供給できる」と述べた。
同氏はまた、カナダが約5000億ドルをエネルギー、港湾、デジタルインフラに投じて未開発の資源を解放し、欧州向けの輸出を強化すると表明。「わが国は数多くの投資を行っており、2週間以内にそれを正式発表する」と語った。