スイス、対米関税交渉にフェデラー氏やFIFA会長起用も

8月13日 スイスのケラーズッター大統領は、トランプ米大統領がスイスからの輸入品に課した39%の関税を下げるための働きかけに、テニスの元世界王者ロジャー・フェデラー氏(写真)や国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長に協力してもらう案に政府は反対しないと表明した。写真は2024年10月、上海で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
John Revill
[チューリヒ 12日 ロイター] - スイスのケラーズッター大統領は、トランプ米大統領がスイスからの輸入品に課した39%の関税を下げるための働きかけに、テニスの元世界王者ロジャー・フェデラー氏や国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長に協力してもらう案に政府は反対しないと表明した。
スイスの何人かの政治家は、7月に米東部ニュージャージー州で開かれたサッカーのクラブワールドカップ決勝戦をトランプ氏が観戦した後、スイス出身のインファンティノ氏が非公式にトランプ氏に働きかけることを提案していた。
スイスのメディアは、トランプ氏は世界的に知られた有名人を好む傾向にあり、フェデラー氏からの接触で心を動かす可能性があると報じた。
ケラーズッター氏は地元放送局のインタビューで、インファンティノ氏もしくはフェデラー氏がトランプ氏と対話することについて「彼(トランプ氏)と面識のある人物が彼と対話するなら、私たちは反対しない」と述べた。
一方、「それは、われわれが正式に追求できる戦略ではない」と語り、米政府との交渉はスイス政府が主導することになるとも付け加えた。こうした有名人の起用が「実際、最終的に役に立つかどうかは分からない」とも話した。
ケラーズッター氏は、米国の対スイス関税を下げるための交渉を10月までに決着させる意向を示し、スイスとしては「いかなる代償」も払うつもりはないと表明した。
同氏は、米国の関税は正当化されず、軽減されなければならないと主張。スイス企業は米国に大きく投資していると強調した。