日米関税交渉の合意を受けて、5500億ドル(約80兆円)の対米投融資プロジェクトが具体化に向けて動き出す。交渉の事情を知る日本政府関係者によると、両国政府と国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)が協議体を設置する方向で調整している。米国による相互関税引き下げ実施の時期を念頭に、協議を始めたい考えだ。米側は医薬品と半導体への日本からの投資を特に重視しており、こうした分野のプロジェクトが優先して検討されるとみられる。

同政府関係者によると、協議体には日本政府から経済産業省や内閣官房に設置された総合対策本部の担当者らが出席する方向で検討している。米側の出席者は未定だが、商務省の担当者らが想定されるという。開始時期は「米国が実際に関税を引き下げる時期が一つの目安になるだろう」と話している。

 

日米は7月、米国の日本に対する追加の相互関税を15%とする一方、日本が5500億ドルの対米投融資を行うことで合意した。その後、投融資の概念を巡ってトランプ米大統領が「われわれが好きなように投資できる資金」と発言する一方、赤沢亮正経済再生相は「日本にもメリットがある時に米国に投資をするという約束」だと述べるなど、認識の食い違いが指摘された。

相互関税率についても米国が既存税率に15%を上乗せする措置を講じたことで、赤沢氏が急きょ訪米して上乗せではないことを確認するなど混乱した経緯がある。

合意履行の意思表示

ベセント米財務長官は合意の履行状況を「四半期ごとに」確認する意向を示している。日本政府内には「トランプ氏がいつ再び関税を引き上げるかわからない」(財務省幹部)との危機感があり、前出の政府関係者は「協議体の設置には日本が誠実に合意を履行する意向があることを示す意味もある」と話す。

衆参両院は15日、それぞれ予算委員会の理事懇談会を開き、米国の関税措置について赤沢氏から説明を受ける予定になっている。

(鬼原民幸)



[ロイター]
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