メキシコ、トマトに最低輸出価格設定 米の2国間合意破棄で

メキシコ経済省と農業・農村開発省は10日、共同声明を出し、生鮮トマトの輸出に最低価格を設定したと発表した。資料写真、2023年7月、シウダーフアレス(2025年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)
Brendan O'Boyle
[メキシコ市 10日 ロイター] - メキシコ経済省と農業・農村開発省は10日、共同声明を出し、生鮮トマトの輸出に最低価格を設定したと発表した。米国との2国間合意失効後に国内生産を保護し、国内供給を確保することが目的。8日付の官報で発表され、すでに施行されている。
米国は7月、メキシコと2019年に締結した同国産トマトの米国向け輸出に関する合意を破棄。同月14日、同国からの生鮮トマト輸入に約17%の関税を課すと発表した。
新たな価格設定ルールは最終的な輸出にのみ適用されるが、数量を制限したり、最高価格を設定したりはしていない。関係省庁によると、価格は毎年または市場の状況に応じて見直される。
最低輸出価格は、ミニトマト(チェリートマトやグレープトマト)が1キロ当たり1.70ドル、加工用トマト(ローマトマト)が同0.88ドル、中玉トマト(ラウンドトマト)が同0.95ドル、茎付き中玉トマト(ラウンドトマト)が1.65ドル。その他のカクテルトマトやエアルームトマトは1.70ドルに設定された。
公式統計によると、メキシコの昨年のトマト輸出額は33億ドル。
両省は「今回の措置は農業の競争力や農村の雇用保護、食料主権に対する政府の取り組みを強化するものだ」と説明。同国のトマト生産者団体も支持を表明したという。