ニュース速報
ワールド

中国、新発国債などの利子所得に課税 8日から

2025年08月08日(金)17時32分

 中国政府は、新規に発行される国債、地方債、金融機関債の利子所得について、8日から増値税の課税を再開した。写真は元紙幣。2017年5月、シンガポールで撮影(2025年 ロイター/Thomas White)

[上海 8日 ロイター] - 中国政府は、新規に発行される国債、地方債、金融機関債の利子所得について、8日から増値税の課税を再開した。

長年にわたる税制優遇措置を廃止し、増大する財政圧力を緩和する。

財政省は1日、2025年8月8日以降に発行される国債、地方債、金融機関債について、利子所得への増値税免除が適用されなくなると発表。それ以前に発行された債券(その後のトランシェも含む)の利子所得は満期まで引き続き増値税が免除される。

中国国際金融(CICC)のアナリストは「中国の財政赤字は歴史的な高水準付近にあり、国債の利払いも毎年増え続けている。政策当局が一段の財政圧力を緩和するために、適度な歳入拡大と歳出抑制の手段を検討するのは自然だと思える」と述べた。

財通証券の試算によると、増値税が6%の場合、今回の措置により、2025年の歳入は推定で320億元(44億6000万ドル)増える。26年は650億元、27年に990億元の歳入増が見込まれるという。

また、中国人民銀行(中央銀行)系の金融時報の今週の報道によると、一部の納税者は最近、地元税務当局から、海外株式投資で得た利益など、海外所得の申告と納税を指示する通知を受け取った。

CICCのアナリストは、政策の軸足が下半期に金融緩和に移ると予想。「金融緩和が実現すれば、今回の税制変更による数ベーシスポイント(bp)の影響は利回り低下によって相殺され、今年の国債利回りの一段の低下に寄与する可能性さえある」と述べた。

中国の長期国債利回りは、1日の財政省の発表を受けて低下した。増値税が免除される既発国債の需要が高まったためだ。

中国は債券市場の発展を促すため、国債と地方債の利子所得を非課税としていた。

2021年の公式発表によると、外国人投資家には、今年末まで中国国内債券の利子所得に対する法人所得税・増値税免除が適用される。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独がイスラエルへの軍用品輸出停止、ガザ方針に反発 

ワールド

自民党、総裁選の前倒しを判断へ 両院議員総会で決定

ワールド

アングル:防空壕で生まれた命に未来託す、戦争で人口

ワールド

焦点:「石破降ろし」予算編成に飛び火も、今秋逃せば
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの母子に遭遇したハイカーが見せた「完璧な対応」映像にネット騒然
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 5
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 8
    バーボンの本場にウイスキー不況、トランプ関税がと…
  • 9
    経済制裁下でもロシア富豪はますます肥え太っていた…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中