中国、新発国債などの利子所得に課税 8日から

中国政府は、新規に発行される国債、地方債、金融機関債の利子所得について、8日から増値税の課税を再開した。写真は元紙幣。2017年5月、シンガポールで撮影(2025年 ロイター/Thomas White)
[上海 8日 ロイター] - 中国政府は、新規に発行される国債、地方債、金融機関債の利子所得について、8日から増値税の課税を再開した。
長年にわたる税制優遇措置を廃止し、増大する財政圧力を緩和する。
財政省は1日、2025年8月8日以降に発行される国債、地方債、金融機関債について、利子所得への増値税免除が適用されなくなると発表。それ以前に発行された債券(その後のトランシェも含む)の利子所得は満期まで引き続き増値税が免除される。
中国国際金融(CICC)のアナリストは「中国の財政赤字は歴史的な高水準付近にあり、国債の利払いも毎年増え続けている。政策当局が一段の財政圧力を緩和するために、適度な歳入拡大と歳出抑制の手段を検討するのは自然だと思える」と述べた。
財通証券の試算によると、増値税が6%の場合、今回の措置により、2025年の歳入は推定で320億元(44億6000万ドル)増える。26年は650億元、27年に990億元の歳入増が見込まれるという。
また、中国人民銀行(中央銀行)系の金融時報の今週の報道によると、一部の納税者は最近、地元税務当局から、海外株式投資で得た利益など、海外所得の申告と納税を指示する通知を受け取った。
CICCのアナリストは、政策の軸足が下半期に金融緩和に移ると予想。「金融緩和が実現すれば、今回の税制変更による数ベーシスポイント(bp)の影響は利回り低下によって相殺され、今年の国債利回りの一段の低下に寄与する可能性さえある」と述べた。
中国の長期国債利回りは、1日の財政省の発表を受けて低下した。増値税が免除される既発国債の需要が高まったためだ。
中国は債券市場の発展を促すため、国債と地方債の利子所得を非課税としていた。
2021年の公式発表によると、外国人投資家には、今年末まで中国国内債券の利子所得に対する法人所得税・増値税免除が適用される。