米与野党、州選挙区再編巡り対立激化 中間選挙にらみ

8月5日、米テキサス州下院選挙区の区割りを巡る政治的対立が激化し、全米の各州でも区割り再編に向けた動きが出ており、連邦議会の勢力バランスを左右する可能性がある。写真は5日、イリノイ州オーロラで記者会見するプリツカー・同州知事(2025年 ロイター/Tom Krawczyk)
Joseph Ax
[5日 ロイター] - 米テキサス州下院選挙区の区割りを巡る政治的対立が激化し、全米の各州でも区割り再編に向けた動きが出ており、連邦議会の勢力バランスを左右する可能性がある。
テキサス州共和党は来年の中間選挙で民主党が保有する下院5議席を奪うことを目的とした新たな選挙区を提案している。この案はトランプ大統領が推進している。
これを受け、テキサス州よりも選挙区数が多い唯一の州であるカリフォルニア州のニューサム知事を筆頭に、他州の民主党知事らは独自の区割り再編案を打ち出して対抗する構えを示している。
民主党のプリツカー・イリノイ州知事は5日、記者団に対し「トランプは詐欺師であり、(テキサス州の)アボット知事も同様だ」と語った。隣には、共和党が示した区割り再編案に対する採決を阻止するために4日に州外へ出たテキサス州の民主党議員数人の姿があった。
プリツカー氏は「私としては、あらゆることが検討対象だ」と述べた。
民主党は来年、共和党が保持する議席を3議席奪還すれば、下院(定数435)の過半数を制することから、区割り再編によってどちらかの政党がわずかに議席を伸ばすだけでも、決定的な影響を及ぼす可能性がある。
選挙区割りは通常、国勢調査に基づき10年ごとに見直されるが、トランプ氏はその慣例を破り、テキサス州共和党に対し、区割り再編を促している。
トランプ氏は5日、2024年の大統領選挙について言及し、「私はテキサスで勝利した。テキサス州史上最高の得票を記録した。われわれはさらに5議席を獲得する権利がある」とCNBCに語った。
トランプ氏は他の共和党支持州にも同様の措置を促している。匿名を条件にホワイトハウス高官が先週ロイターに語ったところによると、政権はフロリダを含む最大5州が選挙区を再編する可能性があると考えている。