人民元建て債券、外国人投資家の関心薄れる ドルのプレミアム縮小で

7月30日、人民元フォワード市場で元に対するドルのプレミアムが縮小しており、このところの元高にもかかわらず、外国人投資家の中国債券への関心が低下している。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[上海 30日 ロイター] - 人民元フォワード市場で元に対するドルのプレミアムが縮小しており、このところの元高にもかかわらず、外国人投資家の中国債券への関心が低下している。
外国人投資家は2023年終盤から元建て債券を着実に買い進めてきた。人気の取引戦略は為替ヘッジ付きスワップを通じて短期の元建て銀行債券を購入し、米国債を上回る高い利回りを得ることだった。
しかし、元のフォワード相場が上昇したため、こうした利回りは低下し、元建て債券の魅力は薄れた。1年物ドル/人民元スワップは昨年10月以来の高水準付近で推移している。
外国人投資家は6月、中国のオンショア元建て債券を2カ月連続で売り越した。特にインターバンク市場における短期債務商品である譲渡性預金証書(NCD)が730億元(101億8000万ドル)の売り越しと、6月の流出額全体の60%を占めた。
1年物の元フォワード相場は30日、スポット相場の1ドル=7.1767元に対して、6.9982元。インプライドイールドは約2.48%となっている。
スワップ市場で取得した元で1年物NCDに投資すると、リターンは合計で約4.1%と、米国債利回りとほぼ同水準になる。以前は、この戦略で米国債利回りよりも約90ベーシスポイント(bp)高い利回りが得られた。