印タタが伊トラックメーカーのイベコ買収へ 防衛部門は別枠

インド自動車大手タタ・モーターズはイタリアのトラックメーカー、イベコに対し、1株14.1ユーロで株式公開買い付け(TOB)を実施する。両社が30日発表した。写真はイベコのトラック。トリノで2022年7月撮影(2025年 ロイター/Massimo Pinca)
Giulio Piovaccari Giulia Segreti
[ミラノ/ローマ 30日 ロイター] - インド自動車大手タタ・モーターズはイタリアのトラックメーカー、イベコに対し、1株14.1ユーロで株式公開買い付け(TOB)を実施する。両社が30日発表した。提示価格はイベコの企業価値を38億ユーロ(43億6000万ドル)と評価している。
これとは別に、イベコは防衛部門を17億ユーロでイタリアの防衛大手レオナルドに売却することで合意した。
イベコはイタリアのアニェッリ一族が持ち株会社エクソールを通じて間接的に支配している。エクソールはイベコ株の27.1%を所有しており、これをタタに譲渡することで合意した。
イベコは欧州の主要トラックメーカーの中では最小規模で、しばしば買収の標的企業とみられてきたが、防衛部門を抱えているため合意が困難だった。今回、防衛部門がレオナルドに売却されることで、タタにとって買収の条件が整った。
タタがイベコを買収すれば、年間生産台数54万台、売上高220億ユーロの企業が誕生し、世界的に大きなプレゼンスを持つことになる。
イタリア・メローニ政権の高官らは、政府は「質の高い外国投資」を支援するが、雇用や戦略資源、生産チェーンを守るため買収合意を注視していくと述べた。
一方、イベコの防衛部門は2024年の中核的利益が1億0800万ユーロで、国内外で2000人の従業員を抱える。規制当局の承認が得られれば、レオナルドへの売却は2026年第1・四半期に完了する予定。
イベコは上場廃止となる見通し。