IMF、今年の新興国経済見通しを上方修正 中国が改善

国際通貨基金(IMF)は29日公表した世界経済見通しで、新興市場国・発展途上国全体の今年の国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の3.7%から4.1%に上方修正した。中国経済に対する見方が改善し、新興国全体の予想成長率を押し上げた。写真は香港の尖沙咀で写真撮影する中国本土からの旅行者。2023年5月撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)
Rodrigo Campos
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は29日公表した世界経済見通しで、新興市場国・発展途上国全体の今年の国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の3.7%から4.1%に上方修正した。中国経済に対する見方が改善し、新興国全体の予想成長率を押し上げた。
新興国・途上国全体の2026年の成長率見通しは従来の3.9%から4.0%に引き上げた。
今年の成長率見通しの上方修正幅は中国が最も大きく、従来の4.0%から4.8%に修正された。
IMFは「この修正は、2025年上半期の予想より力強い活動と、米中間の関税の大幅な引き下げを反映している」と説明。最新見通しは、米国の実効関税が4月時点の計算に基づく24.4%ではなく17.3%となることを想定していると付け加えた。
ただIMFは「基本シナリオで想定した通商政策の危うい均衡状態」を考慮すると、見通しは下振れるリスクの方が上振れリスクよりも大きいと補足した。
IMFはまた、ブラジルは米国の追加関税が発動されれば、経済成長が一段と減速すると予想。ブラジルの成長率は今年、昨年の3.4%から2.3%に低下すると見込まれている。
一方でIMFは、ロシアと韓国の経済見通しを下方修正した。今年のロシアの成長率見通しは従来の1.5%から0.9%に、韓国の成長率見通しは1.0%から0.8%にそれぞれ引き下げた。