豪CPI、第2四半期は4年超ぶり低い伸び 利下げ観測強まる

オーストラリア統計局が30日発表した第2・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.7%上昇と、予想の0.8%上昇を下回り、過去4年以上で最も低い伸びとなった。コアインフレ率も3年ぶりの低水準で、市場では来月の利下げ観測が強まった。写真はシドニー中心部で昨年5月撮影(2025年 ロイター/Jaimi Joy)
[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア統計局が30日発表した第2・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.7%上昇と、予想の0.8%上昇を下回り、過去4年以上で最も低い伸びとなった。コアインフレ率も3年ぶりの低水準で、市場では来月の利下げ観測が強まった。
CPIの前年比上昇率も2.4%から2.1%に鈍化し、予想を下回った。
コアインフレ率の指標として注目されるCPIのトリム平均値は前期比0.6%上昇し、予想の0.7%上昇を下回った。前年比上昇率は2.9%から2.7%に鈍化し、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が目標とする2─3%のレンジ内でさらに低下した。
ウェストパックのチーフエコノミスト、ルーシー・エリス氏は「中銀は現在の金融引き締めを解除する慎重な道筋を継続する必要性を確認したはずだ」と指摘。
「8月の理事会で25ベーシスポイント(bp)の利下げがあると予想する。11月、2026年2月、2026年5月の追加利下げの可能性も高まっている」と述べた。
市場は現在、8月12日の理事会で政策金利(現行3.85%)が25bp引き下げられる確率を100%近くと予想。年末の政策金利が3.10%以下になるとの見方を織り込んでいる。
豪ドルは1豪ドル=0.6512米ドルで横ばい。市場では以前から利下げが織り込まれていた。
CPIの内訳では、新築住宅価格の上昇率が前年比0.7%と、前四半期の1.6%から大幅に鈍化。需要低迷を受けて建設業者が値下げした。
サービス価格の上昇率も前年比3.3%に鈍化。家賃や保険料の上昇率が鈍化した。賃金上昇率の鈍化が背景。