ハーバード大、職員の雇用記録提出へ トランプ政権の要求に対応

7月29日、米ハーバード大学はトランプ政権からの要求に応じ、職員数千人の雇用記録を提出すると発表した。写真は5月、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大のキャンパス内で撮影(2025年 ロイター/Faith Ninivaggi)
Kanishka Singh
[ワシントン 29日 ロイター] - 米ハーバード大学は29日、トランプ政権からの要求に応じ、職員数千人の雇用記録を提出すると発表した。ただ、当面は学生のみが就ける職種に従事している職員の記録は公開しないという。
大学は29日に職員に宛てた電子メールで、国土安全保障省から今月、職員の雇用資格確認書(I─9フォーム)と関連書類の調査を求める通知と関連する召喚状を受け取ったと述べた。
米国市民権・移民局(USCIS)のウェブサイトによると、同局が発行するI─9フォームは米国で雇用された個人の身元と雇用資格を確認するために使用される。
ハーバード大は、連邦規則により政府には雇用資格に関する情報を含め、米国の雇用主の書類にアクセスする権利が与えられていると述べた。
トランプ政権はイスラエルのガザ戦争に対する親パレスチナ派の抗議活動などを巡り、連邦政府資金を凍結しており、ハーバード大は法廷で争っている。
ハーバード大は学生のみが就ける職種については政府の要請がプライバシー保護の要件に沿っているかどうかを判断中だとして、当面は雇用記録を共有しない方針だ。