EU、イスラエルへの研究助成制限を提案 ガザ人道危機巡り圧力

7月28日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はイスラエルによる研究助成プログラムへのアクセスを制限するよう勧告した。写真はイスラエルによる空爆の被害を受けた建物。28日、ガザ南部ハンユニスで撮影(2025年 ロイター/Ramadan Abed)
Lili Bayer
[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、イスラエルによる研究助成プログラムへのアクセスを制限するよう勧告した。EU諸国は、パレスチナ自治区ガザにおける人道危機を緩和するため、イスラエルへの圧力を強めるよう求めていた。
複数のEU諸国は先週、イスラエルがガザへの支援物資供給を増やすというEUとの合意に基づく約束を果たしていないとして、欧州委に具体的な対応策を提示するよう要請した。
EUの研究・イノベーション枠組みプログラム「ホライゾン・ヨーロッパ」へのイスラエルの参加を部分的に停止するという提案が発効するには、EU加盟27カ国のうち少なくとも15カ国(EU人口の65%以上)の賛成が必要。
欧州委は「イスラエルはガザの一部地域で日中の軍事作戦を当面停止すると発表、人道支援に関する約束の一部を果たしたが、状況は依然として厳しい」などと指摘した。
イスラエルは1996年以来、EUの研究プログラムに参加しており、過去数十年にわたって何千もの共同プロジェクトに参加してきた。今回の凍結案によってどれだけの資金が影響を受けるかは明言されていない。