フィンランドの格付けを「AA」に1段階引き下げ=フィッチ
[25日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは25日、フィンランドの格付けを「AAプラス」から「AA」へ1段階引き下げた。債務残高が増加し、中期的に財政を安定化できるだけの十分な財政再建策が打ち出されていないためだとしている。
AAは高い信用力を持つ投資適格級の格付けで、フィッチは見通しを「安定的」とした。
フィンランド経済は個人消費の低迷や、財政を巡る課題が続いていることなど重荷となり、長引く景気後退から緩やかに回復するのにとどまっている。
減税や公共支出の増加といった経済成長の促進を目指した政府の取り組みは、米国などによる輸入品の関税引き上げ、高止まりする失業率、公的債務の増加などの逆風に直面している。
政府は2027年末までに公的債務を安定化を公約していたのに反し、財政赤字を国内総生産(GDP)の1%まで削減するという当初目標を達成できないことを認めた。
24年の政府支出は国内総生産(GDP)の57.7%という高水準にあり、社会の高齢化に伴う関連費用、社会支出、国防費の増加が押し上げ要因となっている。
フィッチは、現在実施されている対策では中期的な公的債務安定化には不十分だと判断。また、フィンランドの一般政府債務のGDP比率が上昇を続けて29年にはGDPの90%を超えると予想しており、「AA」の格付けを受けている他国の中央値を大幅に上回るとした。